■ AI Messenger Chatbotアップデートの背景
当社では、コールセンターの人手不足を解消するため、問い合わせ対応を自動化する「AI Messenger Chatbot」を2016年より提供しておりました。そのような中で、昨年11月、ChatGPTが登場し、あらゆる企業で活用方法が議論され、多くのプロダクトやサービスにもChatGPTが連携されてきました。
当社でも大規模言語モデル(以下、LLM)に関する技術検証を重ね、LLMが苦手とする、正確性が担保されない点や最新情報・企業の独自情報を持ち合わせていない点を解決するべく技術開発を行いました。そして、これまでAIを活用したプロダクトを300社以上に導入してきた知見をもとに、従来の「AI Messenger Chatbot」よりも初期構築や運用工数の大幅な削減や、正答率向上が見込めるアップデートをいたしました。
■ 初期構築・運用工数の削減および正答率の向上を実現!
従来のチャットボットは、初期構築時にFAQを作成することに時間がかかっていましたが、本アップデートによりFAQの自動生成が可能となります。さらに、ChatGPTにより意図理解が強化されることで正答率が向上すると共に、事前に学習したデータ(Webページ, PowerPoint, Excel, Word, PDFなど)をもとに回答を生成することが可能となります。そのため、従来よりも広範囲の質問へ柔軟に回答することができるようになります。
■ AI Messenger Chatbotの強み
今回のアップデートでは、ChatGPTとの連携に加え、正答率向上を目的とした当社のAIチームによる独自技術も搭載しております。
① 回答精度を上げるデータ整形機能
ChatGPTを活用して、Web上に公開されていない企業独自の情報や、2021年9月以降の最新情報にも回答をするためには、外部のデータソース(Webページ, PowerPoint, Excel, Word, PDFなど)と連携をする必要があります。
その際に、ChatGPTが誤った回答を生成しないよう、適切なデータを参照するためにChatGPTへ連携するデータを整形する独自機能を開発しております。
②誤った回答を抑制するチェッカー機能
ChatGPTの課題である、誤った情報を伝えてしまう可能性があるハルシネーションや想定範囲外の回答を生成するリスクを制御するため、ユーザーの質問内容により回答を制御する独自のチェッカー機能を開発しております。
③LLMの独自評価システムによる回答結果の精度向上
当社では、まず最初に人手による回答結果の評価を行い、問題がないかを確認します。万一、回答結果に誤りがある場合は、プロンプトを改善し、問題がないと判断された場合は、自動評価に移行します。自動評価では、事前に定めた評価シートを基に回答結果のスコアリングを行います。基準値を満たした場合は合格とし、それ以下の場合は再度、人手によるプロンプトの修正を行います。これらのプロセスを繰り返すことで、回答結果の精度を向上します。
■ 展望
今後も、当社では「LLMを活用したプロダクト」の開発や、「LLMを活用したいがどこにどのように活用すべきかわからない」というような企業の課題解決を行います。そして、企業の業務効率化を促進させ、人が人にしかできない仕事に集中できる世の中を目指し、企業の生産性向上に貢献してまいります。