DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?まず最初に取り組むべき1歩は何か?
2021/01/25

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?まず最初に取り組むべき1歩は何か?

【最終更新日】2021年4月1日

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマンが提唱したとされています。
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、
ビジネス用語としては、定義・解釈が多岐に渡ります。

 

それぞれのデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

定義や解釈はそれぞれですが、共通している点としては、
「ITの利用によるデジタル化によって、特定の部分だけでなく、人/モノ/カネが全て繋がっている状態」
が根底にあるようです。

 

このベースがあり、これまでの業務プロセス、人事/組織プロセス、経営/戦略プロセスが瞬時に最適化され続けることで、
新しい価値の創出や競争的な優位性へと繋がっていくという考え方です。

 

この理想状態への変革のプロセスがデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼ばれています。

 

経済産業省のデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

 

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

ガートナー社によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

 

「仮想世界と物理世界が融合され、モノのインターネット(IoT)を通じて、プロセスや業界の動きを変革する新しいビジネスデザイン」への変革プロセスのこと。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる理由

デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる理由を3C分析でまとめてみます。
世の中のデジタル化に伴い、ユーザーも競合も変化している中、自社もそれに適した変化が求められているということです。

 

・Company (自社):既存のレガシーシステムの延長では企業の成長に限界が見えている
・Customer (顧客):消費者の消費活動の変化
・Competitor (競合):デジタル化による変革の対抗策

 

Company (自社):既存のレガシーシステムの延長では企業の成長に限界が見えている

 

「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」の報告書によると、
①老朽化した既存の基幹システムがデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上での障壁になる
②2025年までにシステムの刷新をしないと、それ以降、年間で最大12兆円の経済損失が発生する可能性がある
と指摘しています。

 

多くの企業はオンプレミス型のシステムを導入していますが、メンテナンス費の負担が続き、機能を拡張には膨大なコストがかかります。

 

一方で、クラウドやIoTなどのデジタル技術は急速に進化しており、比較的安価にシステムが構築できるような環境になっています。

 

Customer (顧客):消費者の消費活動の変化

 

最近はコロナの影響もあり、ユーザーの消費行動がより著しく変化してます。
・リアル店舗からネット通販、ECの利用
・情報リテラシーが高まり、SNS等で興味関心を持ち、自分で調べて比較検討してから購入行動へ移す
など、これまでと比べてユーザーとのコミュニケーションポイントも、アプローチ方法も変革が求められます。

 

また、ネット上での行動が主流となったことで、今まで見えてこなかったユーザー行動がデータとして蓄積されるようになりました。このデータを活用できているかどうかが、よりグローバルな競争市場では優劣を分ける時代となってます。

 

ユーザーデータの活用はデジタルトランスフォーメーション(DX)の大きなポイントと言えます。

 

Competitor (競合):デジタル化による変革の対抗策

 

GAFAのようにデジタルを主流とした企業では
・AIの活用
・IoTによる情報の繋がり
・データを活用した戦略の実施
があたり前となっています。

 

こういった企業の成長は著しく、近い将来まったく異なる事業ドメインへの参入により、自分達の競合となりえる日も遠い未来ではないでしょう。

 

淘汰されずに生き残る戦略としてデジタルトランスフォーメーション(DX)は必要不可欠なものということが分かるかと思います。

 

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)における導入テクノロジー

デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する上でのベースとなるテクノロジーは以下4つです。
・クラウド
・IoT
・AI
・5G
それぞれ具体的に見ていきます。

クラウド

そもそもクラウドとは?

クラウドとは、「ユーザーがサーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラやソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する考え方」のことです。

 

もう少し分かりやすくするためにメールサービスを事例にしてみます。
クラウドではないメールサービス:Outlookなど
クラウドであるメールサービス:Gmail Hotmailなど

 

Outlookなどのメールソフトの場合は、PCにインストールしてメールを送る必要がありました。会社の情報システム担当者では、インストール作業やメールサーバーの構築などが裏側で作業を担っておりました。

 

GmailやHotmailの場合は、PCにソフトウェアをインストールしていなくても、グーグルアカウントなどのクラウドサービスのアカウントさえ持っていれば、ChromeやIEなどのブラウザを通してメールを利用することができます。

 

このように、「ユーザーがソフトウェアを持っていなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ使える」という考えがクラウドサービスの基本です。

 

クラウドサービスは大まかにSaaS、PaaS、IaaSの3種類があり、AWS (アマゾンウェブサービス)やGCP (グーグルクラウドプラットフォーム)などのインフラからセールスフォースなどのクラウド型CRMまで様々なサービスが展開されています。

 

自社に適したクラウドサービスを導入していくことが、デジタルトランスフォーメーション(DX)では必要です。

IoT

 

そもそもIoTとは?

IoTは「Internet of Things(モノのインターネット)という意味の通り、従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ、住宅・建物、車、家電製品、電子機器など)が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組み」です

 

例えば、利用におけるIoTでは着用型ウェアラブルデバイス活用などがあります。
ウェアラブルデバイスを着用することで、患者の整体データ(脈拍、心拍、血圧など)を計測しデータ化を行うことで、遠隔地でも患者の状態をモニタリング可能となり、異常を察知した際に、素早く診断・処置することができるようになってます。

 

また、タクシー配車アプリに代表されるように、自分の位置情報とタクシーの位置情報をデータ化することで、もっとも最短ルートでタクシーを簡単に呼ぶことができるようになっています。

AI

 

そもそもAIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、辞書的な定義では「学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステム」のことです。

 

AIの種類は様々で、学習をさせた上で活用するタイプから自らデータの傾向を読み取るものまで様々です。

 

多くはビッグデータの処理として活用されており、
・医療現場や製造業での異常検知
・OCRによる手書き文字データの電子化
・チャットボットの自然言語処理
などで活用されています。

 

AIの多くの事例はデータの活用にフォーカスされているケースがありますが、
・OCRによる活用
・チャットボットによる活用
は多くの企業によって着手しやすいデジタルトランスフォーメーション(DX)の1つではないでしょうか。

5G

 

そもそも5Gとは?

言葉自体の意味としては「5th Generation」の略語で、「第5世代」のことを指しています。

 

5Gの特徴は下記3つです。
・高速・大容量
・低遅延
・多数接続

 

これまでの4Gでは実現ができなかった
・医療現場でのロボット活用
・顔認証による決済/本人確認
・自動運転技術への活用
などが期待されています。

 

これまではコンテンツ提供側やインフラ提供側での活用がメインでしたが、今後はIoTと合わせて活用することで大きな変革のポイントとなります。中長期的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の施策の1つとして認識しておくべきポイントです。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)は何から取り組めば良いのか?

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、これまでのビジネスプロセスを根本から変革していくことが必要となるため、すぐすぐに実現できるものではありません。

取り組むにあたりどのような分野(部署)があるのか、現状どういったプロセスなのかを見定めて、優先順位をつけていくことが必要となります。

 

ここではバリューチェーンを用いて、自社のメイン活動と支援活動に分類してそれぞれどのようなデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用事例があるのかを調べてみることからスタートしてみても良いかもしれません。

 

※参考:バリューチェーン分析
■主活動
・購買/物流
・製造
・出荷/物流
・営業販売/マーケティング
・アフターサービス/カスタマーサポート

 

■支援活動
・総務/経理
・人事/労務
・システム/開発

 

どの企業でも取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)の最初の1歩は?

企業によって取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)は様々ですが、共通して言えることは、カスタマーサポートの領域です。

 

これまで電話やメールでの対応が当たり前ですが、デジタルネイティブ世代やコロナにおける人員活用の考えから多くの企業がチャットボットや自動音声などのカスタマーサポートにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進しています。

 

他の施策と異なり、
・導入のしやすさ
・効果の出やすさ
・ユーザーの満足度
が高いため、まずどの企業でも取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)として有効かと考えています。

 

チャットボットとは?どんなツールがおすすめか?

「チャットボット(chatbot)」とは、「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、人工知能を活用した「自動会話プログラム」のことです。

 

問合せの大半が自動返答できる内容であることから、多くの工数削減/人件費削減に効果的とされています。

 

また、ユーザーの問合せデータの活用やCRMツールと連携した顧客対応などが期待されています。

 

チャットボットについての詳しい内容やツール比較資料などは下記にまとめていますので、参照下さい。

 

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