有人対応時間を30%削減!チャットボットの活用方法
2019/12/10

有人対応時間を30%削減!チャットボットの活用方法

【最終更新日】2021年4月1日

 

コールセンター市場は2020年までに1,000億円にまで拡大すると予想されています。人手不足や離職率の高さから、業務自動化・効率化においてチャットボットを導入する企業が増えています。しかし、どんな問い合わせにも解決できるチャットボットをすぐに作成するのは難しく、回答文の作成やAIの学習など、地道な運用作業が必要になることも知られています。

 

そこで主流になってきているのが、有人チャットを併用して導入初期のチャットボットの精度を補完する手法です。

この手法において特に重要なのは、有人チャットで対応する中で定型化出来る内容を抽出し、徐々にチャットボットに置き換えることでチャットボットの稼働比率を高めていくことだと考えています。

 

今回は、有人チャットとチャットボットを併用する「Amebaブログ※」の事例を元に、チャットボットの稼働比率を高めていく方法をお伝えします。

 

※Amebaブログ
株式会社サイバーエージェントが提供するブログサービス

 

サービス   Amebaブログ

導入前の課題 問い合わせ増加に伴う、オペレーターの人員不足

 

Amebaブログでは、ヘルプページに配置したAIチャットボットがFAQの回答を行っています。一部、問い合わせの中でも最も多い「ログインできない」カスタマーに対しては、サービスからの離脱を防ぐ観点から有人チャットにて個別対応を行っています。

 

有人チャットにおいて、本来問い合わせ件数が増加しても同等のサービスレベルのオペレーションを行うには、増加に比例してオペレーターの人員が必要ですが、常に潤沢に人員を確保することは難しいです。

オペレーター数を変えずに全ての問い合わせに迅速に対応するには、オペレーター1人あたりの対応件数を向上させるしかありません。しかし、1件あたりの対応にかかる時間は、カスタマーのレスポンスの速さに依存するため課題解決には繋がりませんでした。

 

オペレーターの対応を分析、定型化している案内をシナリオ化してチャットボットで対応

そこでチャットボットで自動化できる内容がないか、オペレーターの対応内容を分析しました。そうすると、どのカスタマーに対しても状況を特定するためのヒアリングが行われていることが分かりました。

 

ログインに必要なIDがわからないのか?それともパスワードがわからないのか?あるいは、パスワードの再発行メールが届かないのか?などを必ず確認した上で、カスタマーの状況に合わせた案内が行われていました。

このヒアリングには規則性があるためシナリオ型のチャットボットによって定型化が可能と考え、状況ヒアリングを代替するシナリオを作成しチャットボットへの置き換えを実施しました。

 

 

 

オペレーター数を増やさずに、サービスレベルの維持を実現

状況ヒアリングをチャットボットに置き換え、ヒアリングが完了した状態でオペレーターへエスカレーションすることで2つの効果がみられました。

 

①課題解決までの所要時間を30%削減

 

オペレーターにつながってからカスタマーの課題が解決するまでの所要時間が、平均39分かかっていたところ26分になり、約30%の削減を実現。これによりオペレーター1人あたりが1日に対応できる件数が向上し、応対効率が改善されました。

 

 

②カスタマーからの返答を待つ時間を50%削減

 

課題解決までの所要時間のうち、削減効果が最も現れたのはカスタマーからの返答を待つ時間でした。

 

チャットボットによるヒアリングは、状況を特定するための必要最小限な内容で構成しています。事前にチャットボットが適切なヒアリングを行うことで、自らの言葉で状況を説明する必要が無くなり、カスタマー側の負担軽減にもつながったことが削減の要因だと考えられます。

 

 

結果としてオペレーターの人数を増やさずにサービスレベルの維持が実現でき、カスタマーを待たせることがなくなり※課題解決につながりました。 ※ピーク時を除く

 

まとめ

今回は、チャットボット導入において主流になってきている有人チャットとの併用に関して、
導入後にチャットボットの稼働比率を高めていく方法について事例をご紹介しました。

  • 有人チャットとチャットボットを併用する場合、チャットボットの稼働比率を高めていくことが重要
  • オペレーターの案内で定型化された部分をチャットボットに代替していくやり方が有効
  • チャットボットへの代替により、オペレーターの所要時間が短縮され、対応効率が向上
  • チャットボットへの代替により、カスタマーが自ら説明をする必要がなくなり負担軽減へ繋がる

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