ヘルプデスクと聞くと、顧客対応を行うヘルプデスクをイメージされる人も多いかもしれませんが、社内における社員の問い合わせに対応するヘルプデスクというものも存在しています。社内ヘルプデスクでは、社員から受けた相談や要望、質問などを受けますが、様々な課題があるとされています。実際に、ヘルプデスク担当者の方は、どうすればより効率よく仕事ができるのか悩まれていることでしょう。
ここでは、社内ヘルプデスクが抱えている課題や、それらの解決策について解説していきます。
社内ヘルプデスクによくある6つの課題
社内ヘルプデスクが抱えている課題には、どのようなことが挙げられるのでしょうか。ここでは6つの課題についてまとめておきます。
社内ヘルプデスクにナレッジが蓄積しない
社内ヘルプデスクへのお問合せは、電話やメール、チャットなど様々なチャネル経由で受けることがあります。また、複数の担当者が窓口として対応していることがほとんどです。
そのような場合、問い合わせデータの集約・共有が難しくなり、社内のノウハウやナレッジが蓄積しないといった課題を抱える企業も少なくありません。
社内ヘルプデスクメンバーの対応状況が把握しづらい
問い合わせの中には、すぐに対応しなければいけない緊急性を要するものもあります。緊急性の高いものに対応している際に、別の問い合わせが入っても対応することは難しいです。各メンバーの対応状況が把握できていれば、他のメンバーが代わりに対応するということもできますが、今どのようなことを対応しているのか共有ができていなければ、他のメンバーが対応するということができません。
また、特定の担当者しか分からないこともあることから、すべてのメンバーの状況を把握していなければ、スムーズに業務を進めることが難しいという課題があります。
社内ヘルプデスクの負担が大きい
社内ヘルプデスクと言っても、各企業で社内ヘルプデスクが担当している業務内容は違いがあるため、他の業務と兼任しているという場合もあります。通常の業務に追加してヘルプデスク業務を行わなければいけない場合、担当者に負担がかかってしまうだけでなく、対応に時間がかかる場合があるでしょう。
問い合わせの中には、マニュアルで解決できるような質問が多いため、ヘルプデスクの負担軽減のためにも、社内におけるマニュアル作りは課題です。
求められる知識が多い
社内ヘルプデスクは、どのような質問にもすぐに回答できるわけではありません。しかし、できるだけスムーズに回答するために、様々な知識が求められることは確かです。
例えば、緊急性が必要とされるシステム系の質問に関しては、基本的なことから応用知識まで知っておく必要があるでしょう。どの担当者でも把握できるように知識を共有することが課題となります。
即時対応が必要な問題に対応できない場合がある
社内ヘルプデスクで受ける相談には、業務に支障が起こる可能性がある問題や、顧客からのクレームに繋がり兼ねない問題などすぐに回答や対応が必要となる事例も多いです。
しかし、人員不足や、対応できる担当者が限定されているなど、即時対応がいつでもできる体制が構築されていない場合もあるのです。即時対応できる体制の構築が課題と言えます。
コア業務にかけられる業務時間が削られる
社内ヘルプデスク業務の担当者が、他の業務と兼任となっている場合、業務量が増えてしまい負担となる可能性があります。コア業務にかける時間を削って、ヘルプデスク業務を行わなければならなくなってしまうため、残業が増えるというようなことも起こってしまうなど業務過多となってしまいます。
明確な成果がわかりづらい
専門的な対応をしているヘルプデスクですが、業務内容が線引きされていないことから、何をしているのかよく分からないというような評価を受けてしまうこともあります。問い合わせ対応やクレーム対応で1日中追われるように業務をしていても、評価されづらいのでは、やりがいも感じにくくなってしまいます。
社内ヘルプデスクが抱える課題の改善方法
社内ヘルプデスクには、様々な課題があることが分かりました。これらの課題の改善方法についてまとめておきます。
ノウハウやナレッジの可視化・共有
社内ヘルプデスクで抱える課題として、マニュアルを作成していないということが挙げられます。
よくある問い合わせや、過去に同じような問い合わせがあったという場合、マニュアルがあることで、すぐに対応することが可能です。各担当者のノウハウ・ナレッジを可視化・共有していくことで、担当者によって対応が異なるということもなくなり、属人化も防げます。
専門部署を設置する
社内ヘルプデスクには、様々な相談や問い合わせが入りますが、これらの専門部署を設けるというのもひとつの方法です。
特にシステム関連の問い合わせは、社内に置いても今後増加すると言えるため、社内SEとヘルプデスクの担当者は別にしておいたほうが、担当者にかかる負担も軽減されます。
対応範囲を明確にする
社内ヘルプデスクの対応範囲を明確にすることで、ヘルプデスクの負担軽減に繋がります。
特に「何でも屋」「困った時はヘルプデスクに聞けばよい」というような体制になってしまっていると、簡単に解決できることでも、問い合わせが入ってしまい、緊急性を要する問い合わせの対応が遅れてしまうということにもなりかねません。
よくある質問に関しては、Q&Aにまとめるなど、見るだけで解決できるようにしていくことも必要です。
教育体制を強化する
社内の教育体制を強化することで、ヘルプデスクへ質問をする前に、疑問を解決してもらうことに繋がります。社内で研修会を開き周知する、チーム部署内でマニュアルを配布し勉強会を開催するなどしておくことで、ヘルプデスクの負担を軽減できるでしょう。
ITツールを導入する
社内ヘルプデスクの負担を軽減する、業務を効率化するために、ITツールの導入も有効と言えます。ITツールを導入することで、土日や夜間の対応も可能となるため、ヘルプデスク業務の対応時間を減らすことに繋がります。
ボイスボット
ヘルプデスクにITツールを導入する事例として、音声自動応答サービスがあります。
例えば、AI Messenger Voicebotを導入すると、あらかじめ予期される質問を設定しておくことでボイスボットが自動でその質問に対応することが可能です。
ボイスボットで解決できない場合のみヘルプデスクにつなぐことが可能ですので、ヘルプデスクの効率化に役立ちます。
ボイスボットとは?IVRとの違いやメリット・デメリット、活用事例などを紹介
チャットボット
チャットボットは、質問に対して回答してくれるコミュニケーションツールです。回答は、AIが行いますが、高い言語処理技術で、質問者の問いかけに正確に答えてくれると言われています。AI Messenger Chatbotを導入することで、よくある質問に対して、自動で回答させることができるでしょう。
FAQシステム
問い合わせ件数の削減にFAQシステムの導入も役立ちます。よくある質問をまとめておくことで、社員が自分で検索して解決することが可能です。社内ヘルプデスクに頼らなくても解決できるようになれば、問い合わせ件数は減らせるでしょう。
ナレッジ共有ツール
ナレッジ共有ツールは、同じ質問をヘルプデスクにしてしまうことを防ぐのに役立ちます。ツールで検索すれば、どのような質問があり、どういった回答が得られたのかなどをまとめて確認することが可能です。
グループウェア
社内ヘルプデスクの仕事を効率化するために、グループウェアによるIT化も検討してみましょう。タスク管理、チャットツール、社内wikiなどの全ての機能が入っていることから、社内での情報共有やコミュニケーションを効率化することが可能です。
まとめ
社内ヘルプデスクの抱える課題や改善法、そしてITツールを導入することで、社内ヘルプデスク業務の負担を軽減できることについてご紹介しました。社内ヘルプデスク業務での解決策を探されている場合は、自動で問い合わせの回答を行うことができるAI Messenger Chatbotの導入も検討されてみてください。
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