2021/03/23

コールセンターが抱える課題・問題点を解決するステップとサービスを解説

コールセンターが抱える課題・問題点を解決するステップとサービスを解説

企業の商品やサービスの利用時に、困ったことがあると利用するのが「お問い合わせセンター・コールセンター」です。今でも多くのコールセンターでは、オペレーターによる有人対応を採用しています。

それに伴い、コールセンター業界には人員や業務内容などに関する多くの課題が残されています。そこで、今回はその課題として何があるのか、また解決策としてどのような方法があり手順がどうであるかなどを、具体的に紹介します。

コールセンター業界が抱える課題とは

まず、コールセンター業界が抱える代表的な課題を以下にわけて紹介します。

  • 早期離職率が高く、常に人手・リソース不足
  • スーパーバイザーの人材育成ができない
  • 応対品質が向上しづらい
  • 繁閑の差に対応しづらい
  • 電話がつながりにくく、保留も長い
  • 営業時間外には対応できない
  • セールスなど他部署・他部門との連携が取れない
  • BCP対策・在宅勤務に対応しずらい
  • 業務効率を高めにくい

早期離職率が高く、常に人手・リソース不足

コールセンター業界の全体的な課題として、早期離職率が非常に高いことが挙げられます。そのため、コールセンターは慢性的な人手不足に悩まされることが多いのです。

コールセンターの早期離職率が高いおもな要因に、クレーム対応などでの精神的な負担の大きさがあります。人手不足になるとリソース不足が発生し、より多忙になるため、離職率がさらに高まるなど負のスパイラルに陥ることも少なくありません。

また、早期離職率の高さは、採用面での問題にもつながります。頻繁に人が抜けるコールセンターでは常に採用を続ける必要があるため、その分採用コストも常にかかり続けるのです。

スーパーバイザーの人材育成ができない

コールセンターでは、早期離職率の高さに加えて、入社後の教育体制が整っていないところも多くあります。そのため、教育やマネジメントの役割を担うスーパーバイザーが育成できないことも課題です。

スーパーバイザー自体を育成できなければ、新しく入社してきた人員への教育体制も整えにくくなるという、さらなる問題が生じます。

このような悪循環により人員育成が滞ることも、現在のコールセンター業界における大きな課題といえるでしょう。

応対品質が向上しづらい

コールセンターのおもな業務である顧客への応対についても、その品質に課題を抱えている企業が多くあります。

この課題の要因としては、前述の離職率の高さや教育体制の不備があります。早期離職で優秀な人員が育たず教育体制も整えられないことから、十分に教育を受けていない人員が応対することになり、質の低下が起こりやすくなってしまうのです。

特に、マニュアルが整っていないコールセンターでは教育の質がそのまま応対の質に影響するため、応対を原因としたさらなるクレームの発生につながることも少なくありません。

繁閑の差に対応しづらい

コールセンター業界は、時期によって繁閑の差が大きい傾向があります。そのため、業務量に合わせて適切な数の人員をそろえることが難しく、それも課題となっています。

繁閑の差自体をなくすことはできないため、コールセンター側としては人員を調整するしかありません。時期ごとに人員を増やす、あるいは減らすなどして人手を調整できる体制を整えることが理想です。

しかし、現実問題としてそのようなことは難しいため、どうしても業務量と人員数のアンマッチが起こりやすくなってしまいます。

電話がつながりにくく、保留も長い

コールセンターへの架電では、時期や時間帯によって電話がつながりにくくなったり、つながったあとに保留で待たされたりすることも珍しくありません。

これは、前述の繁閑の差も関連しており、繁忙期の業務量に対して十分な人手を用意できていないことで発生する問題です。

コールセンターへ問い合わせをする顧客の多くは、限られた時間のなかで用件を済ませようと電話をします。そのため、電話がつながりにくい、保留が長いなどの問題は顧客満足度の低下を招く原因になります。特に、不満を持って問い合わせをしている顧客の場合は、その感情を煽る結果になる可能性が高いでしょう。

営業時間外には対応できない

有人対応型のコールセンターでは24時間対応の実現は難しいという課題です。問い合わせ内容によっては深夜に対応しなければならないものも考えられますが、人件費などのコストを考慮すると対処ができないという現実があります。

コールセンター業界全体として人手不足であるためそもそも人員の調達が難しいということや、人件費をかけて24時間対応を実現したとしても、問い合わせ件数にばらつきがあるためそれに対する収益が期待できないという壁もあります。

セールスなど他部署・他部門との連携が取れない

かかってきた電話に対応するインバウンド、営業などでコールセンター側から架電するアウトバウンドともに、他部署・他部門との連携が取れていないコールセンターは多くあります。

コールセンターの役割上、顧客情報の取り扱いや営業機会などの観点から、他部署や他部門との連携は重要です。連携不足は売上にも大きく影響するため、非常に優先度の高い問題といえるでしょう。

BCP対策・在宅勤務に対応しずらい

新型コロナウイルスの発生によって人との接触機会を削減するため、テレワークが普及してきています

在宅で業務を行うことで職場だけでなく通勤においての接触がなくなることに加えて、災害時などの緊急の場合でも対応できるというBCP対策の面でもさまざまな業界でテレワークが必要とされています。

コールセンター業界も例外ではありません。しかし、セキュリティや勤務管理の点において問題があるため、在宅業務・BCP対策が普及していかないという課題があります。

業務効率を高めにくい

動員しているオペレーターの労働力を最大限に生かされておらず、人件費の無駄が生じてしまっているという状況が多くあります。例えば、問い合わせ内容の確認における手順が多いことやオペレーターの待機時間が長いこと、責任者の確認などによって必要以上の時間が要されているという現実があります。

そのため業務内容の大幅な見直しやオペレーター業務の効率化を行わなければ業務効率を高めることは難しいといえます。

コールセンターの課題や問題を解決するための3ステップ

ここまで、コールセンターに生じることの多い課題や問題を紹介してきました。そのどれもが、放置していると深刻な問題に発展するものです。

ここからは、その課題や問題を解決するための対応策を3ステップに分けて紹介します。

ステップ1:現状の課題・問題点の把握

自社のコールセンターの課題や問題点を解決するためには、まず具体的にどこを改善すれば良いのか、できるだけ正確に把握することが重要です。

先ほど紹介した課題は、どれもコールセンターには多く見られますが、必ずしもすべてのコールセンターに共通するわけではありません。そのため、まずは自社のコールセンターの状況を確認し、抱えている問題点を認識する必要があります。

さらにいえば、ただ課題や問題点を見つけるだけでなく、その問題がなぜ生じているのかということまで突き詰めるようにしましょう。

例えば、離職率が高い場合は離職率自体を課題として挙げるのではなく、どうして離職率が高いのかというところまで把握すれば、より具体的な対策を練ることができます。

ステップ2:教育方針やマニュアルの確立

コールセンターの課題や問題点を明確にしたあとは、教育方針やマニュアルを確立します。

教育方針やマニュアルを整備することで、コールセンター全体での対応が一律化されるため、管理側でコントロールできない部分を減らすことが可能です。

その結果、現在の課題を解決するだけではなく、新たな課題が出てきた際にスムーズに対応できる体制づくりにもつながります。

そもそも、教育の方法がまったくわからないという場合には、コンサルティングなど外部のサポートを受けることも一つの手段となるので、検討してみましょう。

ステップ3:ソリューションの導入

上記2つのステップを踏んだあとは、具体的なシステムなどのソリューションを導入して業務の効率化を狙っていきましょう。

コールセンターに導入できるソリューションには、ボイスボットやチャットボット、そして電話をかけると自動音声ガイダンスが流れ、問い合わせ内容を番号で入力して担当オペレーターに接続するIVRなどがあります。

これらのソリューションを活用できれば、人員不足の解消など課題解決に向かうことが期待できるでしょう。

とはいえ、各ソリューションはあくまで別物であり、得られるメリットや導入方法なども異なります。詳しくは以下の各記事を参考にしてください。

コールセンターの課題・問題を解決するサービス

ここまで、コールセンターが抱える課題について紹介してきましたがこれらの解決には一体どのような対策が必要なのでしょうか?具体的なサービス内容も含めていくつか紹介します。是非、参考にしてみてください。

人材派遣会社の活用

人材派遣会社を利用することで、自社に必要な分の人員を補充できます。先述した課題のうち、特に「人手不足」「早期離職率の高さ」に効果が期待できます。

派遣社員であれば契約期間が決められているため、突発的な離職による人手不足やばらつきのある問い合わせ件数にも柔軟に対応できます。

自社でコールセンターを運営している企業や既にトレーニング体制が整えられている企業が特におすすめです。

SNSの利活用

TwitterやLINEなどのSNSを利活用することで、オペレーターが対応する手間が省け業務の効率化を図ることができます。顧客サイドとしても、些細なことで電話する手間を省くことができます。

例えば、AIなどのチャットボットを導入することで自動的にメッセージが返信されることで、24時間の対応が実現されます。チャットボットについては詳しく後述します。

他にも、SNSを通じて企業の情報やサービス内容を発信することも可能です。

外部委託(アウトソーシング)

自社でのコールセンター運営や業務が厳しい場合は、外部企業に委託するのも策といえます。委託することで、経験豊富なオペレーターに業務を対応してもらうことや人員の確保に追われることもなくなることが期待できます。

業務委託には業務を一括して委託するBPOをとるのか、また運営委託にはどの企業に委託をするのかなどを検討する必要があります。「人手不足」や「人材育成」の課題をもつ企業に特におすすめです。

IVRシステムの導入

IVRシステム、すなわち電話の自動音声応答システムの導入です。IVRシステムでは、顧客が電話をすると自動的にコンピューターが対応をして必要に応じてオペレーターに繋ぐことができるため、顧客の待ち時間削減や、業務の効率化を行うことができます。

そのシステム導入には、CTIの導入が必要不可欠になってきます。CTIによって、IVRシステムだけでなく顧客情報システムとの連携や回線の切り替えを可能となります。

<関連記事>

IVR(電話自動応答システム)とは?導入のメリット・デメリットなどを紹介

チャットボットの導入

SNSの利活用の部分で紹介したチャットボットについて、さらに詳しく紹介します。Web上で顧客からの質問にAIが自動的に返信して、簡単な問い合わせやよくある質問についてはその場で解決できます。

そのため、オペレーターの対応件数自体を減少することや顧客満足度の向上が実現されます。導入にあたりコストはかかってきてしまいますが、長期的にみるとそれ以上のリターンが期待できます。

<関連記事>

チャットボットの効果・メリットとは?導入のポイントや注意点まで詳しく解説

コールセンターの今後と課題解決にAI「ボイスボット」

最後にコールセンターの変化や今後について考えてみましょう。まず、他の業種同様にAI化が進んでいくといえます。課題解決策のいくつかにもAIの導入があったように、近い将来さらに進むことが考えられます。

次に、都心部への移転がおこるといえます。少しでも多くの人員を確保するために好立地への移転をする企業が増加することが考えられます。しかし、その分コストを要するため、やはり人員の問題根本の解決が必要となってきます。

そこで、おすすめなのがAI「ボイスポット」です。自動応答システムの一種ですが、従来のIVRとは顧客がAIに話しながら問い合わせができるという点に違いがあります。さらに、AIが対応できる範囲がより広がることや、事前に必要な顧客情報をヒアリングできることからさらなる効果が発揮されます。

<関連記事>

ボイスボットとは?IVRとの違いやメリット・デメリット、活用事例などを紹介

まとめ

企業が運営するコールセンターには、人手不足や育成などの「人員に関する課題」や24時間対応や効率などの「業務に関する課題」、「AI導入につながる課題」があります。解決のためには、まず課題を把握し、方針やマニュアルの確立。

最後にソリューションの検討が必要となってきます。具体的な解決策としては、SNSの利活用や外部委託、IVRがチャットボットのようなAIの導入などがあげられます。

少子高齢化が進んでいくことで、さらに人手不足の問題は深刻になると考えられます。そのため、問題の根本の解決が期待できる方法でコールセンター業界も変化していく必要があります。

そこで、AI「ボイスポット」を活用することで、AIによる一部業務の自動化によって効率化にアプローチし、課題の根本の解決が可能となります。ぜひ一度お問合せください。

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