2021/10/04

DX導入のポイントとは?5つのステップや成功事例を解説

DX導入のポイントとは?5つのステップや成功事例を解説

DX導入が重要であることは分かっていても具体的な導入方法が分からず、思ったように進んでいない企業が多く見られます。

DX成功例は大企業が多いように見られますが、そもそも「何をもって成功というのか」も不透明です。

そこでこの記事では、DXを導入する具体的な方法と成功させるためのポイントをご紹介します。

DXが思うように進まず動きが止まっている企業様は、ぜひ参考にしてみてください。

DXとは

DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、デジタル技術を活用し「ビジネスモデルそのものを変革すること」「顧客や社会のニーズに合わせた製品やサービスを生み出すこと」「組織や業務そのものを根本から変え、企業として優位性を持たせること」と定義されています。

DXの動きは世界中で進められていますが日本は遅れており、政府は2025年までに推進するよう呼びかけていますが、進捗が芳しくないのが現状です。

DXを進める上での課題

DX推進が遅れている理由は、大きく3つあります。

DXを検討している企業は自社の現状を把握し、課題を見つけることから始めましょう。

経営層にビジョンがない

DX推進に積極的になっているのは一部の従業員だけで、ト経営陣の理解や協力がないまま進もうとしてはいないでしょうか?

DXは社内の一部をデジタル化するだけでは成り立ちません。

場合によっては大掛かりなシステム変更が必要になり、そのためには「経営陣がどのくらいDXを理解しているのか」「DXを実現してどうなりたいのか」が重要になってきます。

IT人材の確保が難しい

DXはIT技術を活用し企業全体の生産性を上げ、働き方そのものを変革することです。

ITの知識だけでなく、マーケティング、プロジェクトマネジメント、課題提案力など多様なスキルが必要なため、適任者が不足しています。

IT人材だけを見ても2030年には最大79万人不足するといわれており、DXの経験者となるとさらに確保が難しくなることは必然です。

参考:- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書 

DXを成功させるには、人材採用や社内人材の育成などによって担当者を設置しなければならず、人材不足は大きな課題となっています。

効果を実感するまで時間がかかる

DXは単なるIT化ではなく業務効率化や働き方改革を目指すものなので、長期的に取り組まなくてはなりません。

コスト削減やシステム連携など、結果が出るのが2~3年後になることも考えられるため、結果が出る前にDX推進をストップする企業も少なくありません。

担当者の異動や予算を確保できず計画が中断することもあり、長期的な人材と資金の確保が必要です。

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DXを導入するための5ステップ

DXを失敗せずに導入するには、5つのステップに沿って順序良く取り組んでいくことが大切です。

1. ツールのデジタル化

DX導入の有無にかかわらず企業のデジタル化は必須です。

紙のデータや個々のPC内に格納しているデータは、クラウドサービスを利用して管理や取り扱いを柔軟にしておきましょう。

FAXや紙ベースの書類をデジタル化すれば他ツールと紐づけしやすくなり、人手を使わなくても自動処理できるようになります。

2. 蓄積されたデータの活用

次に、デジタル化されたデータを有効的に活用します。

データをデジタル化することでより多くのデータが蓄積されるので、従来とは違った方法でデータ活用することができるのです。

POSに集約されたデータから売上予測や顧客へのアプローチを考えたり、電話やメールに寄せられる問い合わせ内容を分析しマーケティングに役立てたりと、部門を超えて有効的に活用していきましょう。

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3. 関係部署でのデータ共有

蓄積されたデータや情報は、関係部署で共有し次の施策に活かしましょう。

成功失敗に関わらずそれまでのプロセスを共有することで、データをさらに有効活用することができます。

自部門だけでなく他部門からの意見を取り入れ、改善策や新企画の立案に役立てましょう。

4. DXに適した組織体制の構築

DXを推進していくためには、個々の部門が別々に動くのではなく組織として活動することで成功に近づきます。

各部門で進められたIT化をもとに「企業としてどのようにDXを推進するのか」を決めてゴール設定を行い、部門間での連携を密にしましょう。

DXに必要なスキルは数多くあるため、一人に複数のスキルを求めるのではなく会社全体で専門分野を共有しながら進めていくことが大切です。

5. ビジネスモデルの変革

DXの最終目標は「企業の業務効率を上げ、ビジネスモデルを変革する」ことです。

単なるIT化に留まらず、IT化によって「企業そのものの在り方や業態がより良いものとなる」ためには、集められたデータを分析し、新たな商品や生み出すための舵取りをしなければなりません。

課題に取り組みながら改善と実行を繰り返し、DX実現に向けてビジネスモデルを作り上げていきます。

DX導入の2種類のシステム

DXを導入するための代表的なシステムは「SoR」と「SoE」と呼ばれるものです。

導入しようとするシステムがどちらに該当し、どんなメリットがあるかを把握し、効果を把握した上で取り入れましょう。

SoR

SoRとはSystem of recordの略語で、主に記録することを目的とした基幹システムです。

具体的には会計、人事、予約管理、受発注などに使われるツールを指し、個人情報や機密情報を記録、管理できることが重視されます。

導入することで業務工数を減らし生産性を高めるとともに、セキュリティ面でも安心できるメリットがあります。

SoE

SoEはSystem of Engagementの略語で、主に企業と顧客とのつながりを重視したシステムです。

SoEは外部との連携が強く、顧客の志向や市場の変化に合わせて対応することが求められます。

顧客の声をマーケティングに役立たせるボイスボットや、スマートフォンを中心としたアプリケーションがあり、常に変化とスピードを求められるシステムです。

DX導入の成功事例

DXは未だ推進途中のため、日本国内でも実際に成功した企業は多くありません。

成功事例をもとに、自社に取り入れるべき視点や施策を考えてみましょう。

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クボタ

建設機器製品を取り扱うクボタは、機械が故障した際に生じるダウンタイムを減らすため故障診断アプリを開発しました。

クボタの顧客はグローバルであることから機械の修理対応にかかる工数は常に不足しており、ダウンタイムによる顧客の稼働率低下は大きな問題になっていました。

しかし、アプリ開発により機械が発するエラーコードや症状を入力するだけで故障個所を迅速に割り出し、効率的に修理が行えるようになったのです。

ダウンタイムの減少だけでなく、サービスエンジニアの教育や人員不足解消にもつながりDXを実現させました。

Shake Shack

バーガースタンドのShake Shackは、事前注文アプリを開発し注文時間の短縮やCX(顧客体験)の向上に成功しました。

店頭に並び注文してから商品が届くまでの時間や混雑は、顧客や店員のフラストレーションにつながりブランドイメージを落としかねません。

オンラインで事前にオーダーすることで顧客は従来よりも簡単に注文することができるようになり、店側もサービスや商品のクオリティを落とさずに商品を提供できます。

Shake Shackはアプリ導入の結果、人件費削減と顧客単価15%アップに成功しました。

DX導入を成功に導くポイント

最後に、DX導入を失敗せずに推進する方法をご紹介します。

業務内容の見直し

企業の現状を見直し、課題を把握してから導入すべきシステムや人材配置を決定しましょう。

現在の業務を効率化、もしくは削減するかなど、デジタル化すべき業務の仕分けをすることで無駄な費用や時間をかけずに済みます。

闇雲にデジタル化を進めてしまうとかえって非効率になる場合もあるため、まずは現在の業務を洗い出しデジタル化の必要可否を定めましょう。

DXに合わせた新ルールの設定

DXを目標に社内システムやビジネスモデルを変えていくと、これまでのルールでは運営にゆがみが生じる可能性があります。

これまで個人やチームに限定したデータを社内全体で共有することになれば、情報管理をどうするかなど、新たな取り扱いルールが必要です。

また、テレワークメンバーとオフィス勤務の従業員を、同じ指標で査定するのか別ルールを設けるのか取り決めを行う必要があります。

適切なツールの選択

ITツールは用途や企業規模によって多様に存在するので、自社の課題解決に役立つツールの選定は慎重に行いましょう。

必要以上に多機能であったり使いこなせる人材がいないのにハイスペックなツールを選定してしまうと、後に誰も使わなくなってしまいます。

一部の人だけが使いこなせるツールを選ばず、必要な機能を備えた取り扱いが容易なものを選びましょう。

電話応対を自動化できる「ボイスボット」なら、顧客の持つ課題や不満をデータ化しマーケティングに役立てるとともに業務の効率化にもつながり、難しい操作は必要ありません。

テレワークの普及により導入する企業も多く、DX導入の手段として効果を表しています。

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まとめ

DXを成功させるためには、まずは経営陣が明確な目標を持ち、DXで企業をどのようにしたいのか、どのような問題が解決できるのかを明確にすることが大切です。

単なるIT化で終わらせず、ビジネスモデルや働き方を変革させる段階まで推し進めるのは容易ではありませんが、世界的に取り組まれている流れに乗り遅れないよう企業全体で取り組んでいきましょう。

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