社員の業務効率化や、働きやすい職場環境の実現を考える際、「電話対応」における業務をどれだけ改善するか、と考える企業様も多いかと思います。 たしかに電話取次などの業務は、時間も集中力も奪われてしまうため、業務効率化や生産性の向上を妨げてしまう要因として考えられます。 そこで当記事では、電話対応を効率化する方法やメリットなどを具体的に解説していきます。
電話対応のよくある問題点
電話の取り次ぎに時間・集中力を奪われる
顧客や取引先からの電話を受け、担当者に電話を取り次ぐことは日常業務においてよくあることですが、担当者に連絡し、取り次ぐまでにはある程度の時間を要してしまいます。すぐに取り次げるものもあれば、社内外の担当者の居場所をしばらく探さなければならないケースもあり、一日数十件も電話を取り次げば、トータルで数時間無駄にしてしまう可能性もあります。また、本業に集中し、時に神経を使う仕事であっても、電話対応によって緊張感も途切れてしまい、業務効率化を妨げになるという懸念もあります。
電話対応を効率化したい!3つの方法と自動化できるボイスボットとは?
電話取次ぎにてミスが発生する
電話対応を行なう者が、担当者と同じ部署の者であるとは限りません。そのため、担当者の職務内容や顧客についてよく把握せず、電話対応を行なうことになるため、相手からの連絡や伝言を不正確に聞いてしまうことはよく起こり得ます。 離席中の担当者への伝言メモに、このような不正確な内容が記載されていた場合、再確認に余計な時間を要してしまいます。初歩的な聞き取り間違い程度であれば、それほど問題にはなりませんが、例えば納品日や商品・サービス名、数量など間違って伝言したばっかりに、大きなトラブルに発展してしまった事例も実際に多いため、注意が必要です。
電話対応の効率化を実現する4つの方法
電話対応自動化ツールを導入する
電話対応の負担を軽減するために、電話対応自動化ツールを業務導入してみてはいかがでしょうか。以前から存在し、ポピュラーなものとしてIVRが挙げられます。IVRとはInteractive Voice Responseの頭文字を取った言葉で「音声自動応答ガイダンス」のことを指します。音声が流れ、顧客情報をあらかじめ入力してもらえれば電話対応者がすぐにヒアリングをスタートすることができるため、人の手間を軽減できるといったメリットもあります。 また、AIが電話対応を行なうボイスボットも、人の代わりに電話対応を行なってくれるため、業務効率化に期待ができます。
IVR(電話自動応答システム)とは?導入のメリット・デメリットなどを紹介
問い合わせ一元管理ツールを導入する
近年、企業への問い合わせには、電話やFAXばかりでなく、メールやwebサイトの問い合わせフォーム、LINE、facebookといったSNSなど、コンタクトできるチャネルや環境も増えてきました。そのため、従来のExcel管理や伝言メモといったやり方では
- 数多くの問い合わせに対応しきれない
- 複数チャネルからの問い合わせ作業に対応できない
- リアルタイムでの情報共有が困難
といった弊害も発生しています。 このように、複数の問い合わせに対し、一元管理できるツールやシステムが最近では注目されています。 問い合わせ一元管理ツールやシステムの導入は、顧客や取引先からの問い合わせに対し、人力よりもミスが減るため、正確性が向上するといったメリットが考えられます。 問い合わせ一元管理ツールは無料のものから有料のものまであるため、導入検討の際はよく調べてから行なうようにしましょう。
電話以外の窓口を作る
上記以外にも、AIがテキストを用いて双方向でのリアルタイムコミュニケ―ションを行なえる「チャットボット」などもあり、電話以外の窓口を作ることも、電話対応の効率化を図る上では大変重要です。 すべての問い合わせ対応を従業員が行なっていたのでは、負担も増大し、生産性の向上や業務の効率化も実現できなくなってしまいます。 顧客や取引先からの問い合わせに対し、各種ツールの機能を有効利用しながら、自動化できることを積極的に推し進めることによって、従業員の負担も軽減できます。
ボイスボットで電話対応を効率化
ボイスボットとは
人工知能であるAIや音声認識、自然言語処理といった技術を利用し、音声を解析しながら自動応答できる仕組みを「ボイスボット」といいます。 顧客や取引先から問い合わせがあった際、ボイスボットはこうした発話を音声認識技術でテキスト変換を行ないます。そして、このテキストデータを人工知能の自然言語処理技術が 解析し、問い合わせに対する答えをテキストによって組み立てていきます。 最終的には導き出された回答テキストを音声合成技術によって、人と変わらない発話に聞こえるように音読するというのがボイスボットの仕組みになります。 こうしたボイスボットの導入は、コールセンターやコンタクトセンターなど電話対応の現場で近年増えてきています。
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IVRとの違い
IVRの場合、利用者は音声ガイダンスに従って番号を入力する必要がありますが、ボイスボットは不要なため、音声ガイダンスを最後まで聞かずに済みます。 また、IVRは音声ガイダンスが長いため、利用者がオペレーターに代わるまでの間に離脱してしまうこともありました。しかし、ボイスボットの場合、利用者の要件を口頭で端的に聞き出すことが可能で回答もスムーズなため、ストレスを感じることが少なく、離脱率も低いといったメリットがあります。
【例文あり】IVR(自動応答システム)のガイダンス設定のポイントを紹介
ボイスボット導入のメリット
取次業務や伝言の工数を削減できる
ボイスボットは、「人の対応が必要な電話のみ、担当者につなぐ」「頻繁にある質問や問い合わせはボイスボットで自動回答する」といった利用方法も可能なため、不必要な電話の取り次ぎや伝言を大幅にカットすることができます。つまり、取り次ぎや伝言が削減されることにより、担当者は本来の業務に集中できることになるため、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。
顧客から営業マンまで多岐に対応が可能
IVRはガイダンスのシナリオ作成や更新に多くの費用と時間がかかっていました。一方、ボイスボットはシナリオ作成や更新をPC管理画面上で簡単に行なうことができるため、多岐に渡る電話対応も可能となります。 例えば、顧客からの問い合わせや依頼に対してのシナリオや、他社の営業マンからの売込みに対して回答するシナリオなど、柔軟に切り替えることができます。
365日24時間電話対応できる
電話対応を従業員で行なう場合、対応可能時間が限られてしまうことがほとんどです。また、休日や祝日も電話対応を行なう場合、当番制にしなければ実現が難しくなり、当番には代休も必要となるため、業務の効率化や生産性向上にも影響を与えてしまいます。 しかし、ボイスボットを導入すれば365日24時間電話対応が可能となるため、電話の取りこぼしがなくなるといったメリットがあります。
ボイスボットで対応可能な会話内容とは
ボイスボットは一般企業やコールセンター業界ばかりでなく、飲食店の予約や宅配サービス、資料請求など、様々な現場で活用されています。 例えば飲食店の場合、予約に関する電話でも、人数や時間といった必要情報を聞き取ることができれば、ボイスボットが予約完了までを音声で対応してくれます。 また、宅配サービスでは問い合わせに対し、配達状況を伝え再配達の手配、連絡なども行うことができます。 さらに、従来はオペレーターが必要だった、書類の送付依頼、証明書の発行なども、ボイスボットは名前、住所、電話番号といった情報を聞き取り、答えることができるため無人対応が可能となります。
ボイスボットとは?IVRとの違いやメリット・デメリット、活用事例などを紹介
まとめ
電話対応は取り次ぎに時間や集中力を奪われてしまうため、生産性向上には電話対応自動化ツールを導入するなど、解決策が必要となります。 近年、AIによって電話対応を行なうボイスボットに注目が集まっています。検討されてみてはいかがでしょうか。
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