2021/07/07

【例文あり】IVR(自動応答システム)のガイダンス設定のポイントを紹介

【例文あり】IVR(自動応答システム)のガイダンス設定のポイントを紹介

コールセンターの電話業務では、毎日多数の問い合わせに対応します。 そんな中、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか?

  • 忙しくてお客様からの問い合わせに対応しきれない
  • 電話対応を効率化して作業に集中したい
  • 問い合わせや定型業務を自動化したい

 

コールセンターだけでなく、様々な企業においてこの様な悩みは尽きません。 カスタマーサポートの需要が広がっている現代では、顧客満足度の向上が課題の一つとなっています。

課題の解決方法として、IVRを検討する企業が増加しています。 当記事では、IVRについてご紹介し、導入のメリットやガイダンス設定のポイント・注意点を解説します。

IVR(電話自動応答システム)とは?

IVRとは「Interactive Voice Response」の略で、コンピューターによる自動音声応答システムです。「〇〇の方は1番を、〇〇の方は2番を押してください」などのあらかじめ設定した案内を自動音声で流す仕組みです。

IVRは基本的に「着信→自動音声による音声ガイダンス→音声ガイダンスに従ってプッシュ操作→解決orオペレータに接続」までが一連の流れ。音声認識やプッシュ操作を使ったガイダンスは、コールセンターをはじめとする受付窓口などで多く利用されています。

大企業で利用されている印象ですが、中小企業・個人事業主の間でも需要が拡がりつつあります。

IVR導入メリットとは

IVRを導入することによって、業務の効率化・顧客満足度の向上が期待できます。簡単な問い合わせや定型作業を自動化し、社員にとって生産性の向上・負担軽減を目指せます。

また自動音声によって24時間365日、無人での案内が可能になります。顧客の問題解決時間の短縮になることも、IVRの導入におけるメリットのひとつです。

IVR(電話自動応答システム)とは?

IVRはガイダンス設定が重要

IVRではガイダンス設定が”鍵”と言えます。ガイダンス設定を失敗してしまうと、かえって顧客満足度を低下させる結果になりかねません。

  • 選択肢を覚えきれず、メニューを選ぶ時間が煩わしい
  • 今すぐ問題解決をしたいのに、なかなかオペレータに繋がらない
  • 自分に該当する番号がなく、どうしたらいいか分からない

このように、IVRの導入で問題解決をするつもりが、逆に顧客に不満を持たせてしまっては本末転倒。

顧客が抱える問題を、迅速かつ的確に対応できるシナリオ設計をすることが、IVRの導入で大切な要素となります。また顧客からのお問い合わせの傾向は変化していくため、シナリオ設計を定期的に見直す必要があります。

【事例紹介】IVRガイダンス例

営業時間外のケース

企業では営業時間外や定休日などに、電話対応ができない状況がほとんどです。業務時間外だけでなく、会議や出張などで電話に出られないと、顧客の問い合わせを取りこぼしてしまいがち。

そういった状況ではメッセージ・録音のほか、かけ直しを促す音声ガイダンスが役立ちます。

営業時間外にかかってくる電話に対して「お電話ありがとうございます。現在は営業時間外です。」などといった、音声ガイダンスが流れます。また担当者が対応中の場合、折り返し連絡の予約を受け付けるなどといった対応も可能。

従業員は焦ることなく、安心して業務に集中できます。また自動音声を流すことによって、顧客は時間の浪費を減らせます。

営業時間外での活用は、大企業だけでなく、中小企業・個人事業主の間でも取り入れたいケースのひとつです。

担当窓口へ取次ぐケース

IVRでは「〇〇に関するお問い合わせなら【1】を、〇〇に関するお問い合わせなら【2】を…」など、担当窓口に自動で取り次げるシステム設計が可能です。【2】を押すと、問い合わせに関する音声ガイダンスが自動で流れます。

通常、顧客からの電話を受ける場合、自身で対処ができない問い合わせは用件に応じて正確に伝達し、電話を取り次ぐ必要があります。IVRなら複数のルートに分けて設定でき、複雑な用件のみオペレータに繋げられます。

担当者に取り次ぐ手間が省けるほか、迅速に対応できるため、顧客の問題解決において大幅な時間短縮に繋がります。

申込み手続きなどの情報入力を促すケース

プッシュ操作などで情報入力を促せるシステムでは、申し込みや予約手続きの自動化・無人化に役立ちます。外部予約システムと連携することによって、病院の診察やホテルの宿泊など、24時間365日サービスの予約受付が可能。

「こちらは〇〇予約受付窓口です。予約希望日を4桁で入力してください。」などといった音声ガイダンスが流れ、自動音声のみで受付が完了します。

営業時間内に電話をかけられない方や、パソコンやスマートフォンの操作が苦手な方にも、オペレータ不要で受付窓口を提供可能。各種情報照会や資料請求の受付など、各サービスに応じた案内が時間を問わず可能になります。

IVRガイダンス設定のポイント

冒頭のガイダンスは簡潔にする

冒頭の挨拶・注意事項はできる限り短く設定します。「この通話は、サービスの品質向上のため録音されています。」などといった注意事項が長々と続くと、途中で聞くことを辞めてしまう方が出てきてしまいます。

重要な説明を聞き逃してしまうと、顧客にとってストレスになりかねません。案内のセリフは長すぎないか・簡潔に説明できているかを入念に確認する必要があります。

全体のメニュー階層・選択肢を簡潔にする

IVRによる音声ガイダンスでは、メニューの選択肢を増やしすぎないことが重要です。IVRではヒアリングができないため、音声ガイダンスに従う必要があります。

メニューが複雑になると案内が長くなり、煩わしく感じてしまいます。サービスに合わせて「①サービスの案内②料金照会③故障・修理④解約手続き⑤その他のお問い合わせ」などのプロセス順に設定、問い合わせの多い内容順に案内など、顧客が覚えやすい・利用しやすい流れでのガイダンス設定をすることが大切です。

提供しているサービスの年代に合わせて、どの程度なら覚えられるかなどの統計を取るのも有効です。ここでは必ずオペレータに直接繋がる選択肢を用意しておきましょう。

言葉遣い・表現を簡潔にする

IVRによる自動音声ガイダンスでは、なるべくわかりやすい表現・言い回しを意識する必要があります。音声ガイダンスはすべて自動で流れます。

専門用語や難しい表現を使うことによって顧客が理解できず、問題解決はおろか、ガイダンスの案内時点で躓いてしまうことになりかねないからです。

伝えたいことを簡潔にまとめ、誰が聞いても分かるような言葉遣いでのガイダンス設定が求められます。

IVR(電話自動応答システム)を導入する7つのメリット

IVRを利用する上で注意すべき点

選択肢形式のため、ヒアリングが難しい

IVRは音声ガイダンスに従って、プッシュ操作や音声入力を使用する選択肢形式です。そのため個別のヒアリングが難しく、情報の取得には限界があります。

例えば、日程や電話番号などのレベルであればプッシュ操作で行えますが、名前や住所などの個人情報や、複雑な問い合わせへの対応はできません。単純な問い合わせへの対応・案内など、定型的な回答や業務が日常的に発生している場合に、とくに有効活用できます。

簡単な問い合わせをIVRで解決できるようになるだけでも、顧客側は「気軽に利用できる」といったメリットを感じやすくなります。同時に従業員の業務の効率化・自動化を期待できます。

ガイダンス途中で生じる質問には応答が困難

IVRはプッシュ操作で選択を進めていく中で、新たに生じた疑問などに対してのキャッチアップができません。自分に当てはまる選択肢が分からない、解決に繋がらないなど、顧客だけでは判断ができなくなる可能性があります。

単純な問い合わせのはずが結局オペレータに繋げる羽目になるなど、かえって不便になり、顧客満足度が低下してしまうのはできる限り避けたいものです。特に、ガイダンス設定に問題がある場合、このような問題が起こりやすいです。

いずれにせよ、オペレータのリソースが必要

定型業務をIVRに任せて自動化することによって、業務効率の向上・リソースの削減が期待できます。しかし、IVRでは対応できる範囲が限られています。

より複雑な問い合わせやクレームなどのイレギュラーな事態に対応するためには、オペレータのリソースが必要不可欠です。導入する・しないにせよオペレータの人材は、最低限確保する必要があります。

オペレータが完全に不要になることは難しいですが、IVRで定型業務を任せられれば、オペレータを確保するためのコストを軽減することができます。

コールセンター業界が抱える人材・リソース不足課題と解決方法について

 

AIで電話対応を効率化!「ボイスボット」とは?

AIが電話応対をする「ボイスボット」をご存知ですか?電話対応に特化した独自のエンジンで開発されたボイスボット。ヒアリングや定型的な質問への回答を得意とし、より複雑なAIソリューションによる自動化を提案。

ボイスボットのAIは基本的な一次対応のほか、予約や注文受付、予約枠の代替案提示など、AIによるスムーズな対話で自動化を実現しています。一方、IVRでは業務の効率化が向上するものの、サービスの利便性を重視すると、不満を抱えるユーザーも一定数存在します。

ボイスボットとは?IVRとの違いやメリット・デメリット、活用事例などを紹介

IVRがこなせる自動化には限度があるため、品質を向上させるには、まだまだ課題が多く存在しています。ボイスボットなら、AIによる対話で複雑な業務にもしっかり対応するため、オペレータのリソースが格段に減らすだけてなく、顧客の獲得・維持、業務の効率化に非常に効果的です。

AI Messenger Voicebotの詳細はこちら

 

まとめ

以上、IVRについてご紹介し、導入のメリットやガイダンス設定のポイント・注意点を解説しました。IVRやボイスボットは、今後も需要が高まり続けるサービスです。消費者目線・企業目線でもメリットの大きいIVR・ボイスボット。是非導入を検討してみてはいかがでしょうか。