2021/10/05

DXとIT化の違いとは?実際の事例を用いて両者の関係性を解説

DXとIT化の違いとは?実際の事例を用いて両者の関係性を解説

企業の業務効率を上げるには、IT化は効果的な手段です。 近年注目されているDXは、IT化を基軸に人々の生活を豊かにする体制を作ることですが、単にITを導入すればいいというわけではありません。

DXとIT化の違いを理解することで、ITをより効果的に活用することができ、DXを推進することができるのです。

そこでこの記事では、DXとIT化の意味とメリットを解説しながら、DX推進を成功させるポイントをご紹介します。

DXとIT化の違い

DXを進めるにはIT化は必須です。 しかし、ITを導入する=DXではないため、IT化をしたもののDXは進んでいない企業も少なくありません。

IT化とは「デジタル技術の導入」という局所的な改革であるのに対し、DXは「ビジネスモデルや生活を変える」という大局的な改革です。

DX推進には、DXとIT化の概念を正しく理解することが必要なので、まずは2つの違いを見ていきましょう。

DXとは

DXとは、2004年にスウェーデンの大学教授が提唱した概念で「デジタル技術を用いて人々の生活をより豊かにすること」といわれています。

主に「企業がIT技術の活用しビジネスモデルや働き方を変えていくこと」と解釈されることが多く、日本では2018年ごろから提唱されてきました。

日本は推進が遅れている状況でしたが、2020年の新型コロナウィルスの影響で働き方改革が必須になり、取り組みを進める企業が増えています。

DXの定義

DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、「デジタルによる変革」と訳されますが、解釈は複数あり定義は明確にされていません。

経済産業省の発表では「企業がデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや企業そのものを変え、特徴を持つこと」と定義されています。

また「デジタル技術を活用し、企業の競争力を向上させる」という意味合いもあり、DXの流れに乗り遅れてしまうと市場の競争から取り残されてしまうことも示唆されています。

DXの事例

DXを取り入れている身近な事例としては、タクシーの配車サービスや荷物の配送システム、AIによる音声認識などが挙げられます。

  • 顧客情報と在庫管理を紐づけ、サイトから確認し購入できる
  • スピーカーに話しかけるだけで、知りたい情報にアクセスできる
  • アプリを操作するだけで、タクシーやフードデリバリーが指定した場所まで来てくれる

DXは社外に対してだけではなく社内でも活用されており、業務効率化に成功しています。

  • 勤怠管理をシステム化し、給与計算までの流れを一元化
  • 社内決済や書類関係を電子化し、データで提出
  • 総務や経理関係のヘルプサポートにチャットボットを導入し自動回答

デジタル技術を取り入れ仕組みそのものを変えることで、顧客や従業員の生活は便利になりました。

このようにデジタル技術を取り入れ、生活様式や企業そのものを変化していくことがDXなのです。

IT化とは

ITとはInformation Technology(インフォメーションテクノロジー)の略語で、インターネットやコンピューター、ソフトウェアなどのデジタル技術や通信技術の総称です。

ITを導入することは企業の競争力を高め利益の確保にもつながるため、国はIT関連の補助金制度を導入し、IT化を促進しています。

ITの導入状況は企業や業種によって異なりますが、新規参入企業や大企業ほど高いといわれており、ベンチャー企業が少なく中小企業の多い日本は世界から遅れを取っている状況です。

IT化の定義

IT化の意味にはDXと同様に明確な定義はありませんが、「情報をデジタル化し既存システムの効率化を目指す体制作り」と捉えられています。

既存のアナログのシステムやツールをデジタル化することで、生産性向上やコスト削減につながる体制を目指し、会社の成長や経常利益の増加に繋げていきます。

手作業や紙ベースの業務をデジタルデータに変えて取り扱うなど、日常のプロセスを簡単に、早く、正確に行うための仕組みです。

IT化の事例

IT化の例として分かりやすいのは、アナログのデータをデジタル化しコストや作業時間を削減することです。

  • 紙のFAXをやめ、届いたFAXをパソコン上に取り込み必要があるものだけ印刷する
  • 勤怠表をICカードに変え、打刻すれば給与計算まで行う

蓄積されるデータが増え取り出しやすくなったことで、管理や取り扱いが容易になった事例もあります。

  • 顧客の購入履歴や閲覧履歴を全て一元管理し、部門を超えて共有できる
  • 作成した書類や資料をクラウド上に格納し、会社のパソコンだけでなく外出先や個人タブレットで確認、編集することができる

IT化はDXを進める際の初期投資に大きく影響します。 現段階でIT化が進んでいない企業はDXの動きも遅れてしまうことになるため、早めの取り組みが必要です。

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システムのIT化において重要なこと

DXとIT化は意味合いでいうと異なりますが、DX実現にはIT化は必須なので取り組みが遅れている企業は早急に導入が必要です。 ここからはITを導入する時の重要なポイントをご紹介します。

データの電子化

IT化の第一歩は、データの電子化です。

紙ベースでのデータ保管は、紛失や劣化だけでなく管理の煩雑さや保管場所の確保も課題です。

電子化することにより必要な情報を探しやすく、共有時もメールやソフトを使ってデジタル形式で送ることができるので、時間の短縮とコスト削減につながります。

リモート環境の整備

テレワークの普及により、早急にリモート環境を構築する必要がでてきました。

オフィスに出社しない従業員がオフィスと同様の環境で業務を行うためには、情報の共有をクラウド上で行ったり、経理や労務手続きをオンラインで行う環境の整備、電話業務を無人化することが必要です。

外部ツールの導入

IT化には大がかりなシステムを構築したり既存システムを改修するだけでなく、サブスクリプションサービスの契約や、業務を外注することも有効です。

システム構築は費用負担が大きく小規模のビジネスモデルには費用対効果が低いため、外部のツールやリソースを活用して必要なサービスを必要な分だけ活用しましょう。

また、IT化にはセキュリティ対策も大きな課題になるので、最新の対策を導入しているツールを使用し、情報資産を管理することが重要です。

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DXが注目されている理由

2020年あたりからDXという用語が頻繁に聞かれるようになりました。 日本で定義されたのは2018年ですが、新型コロナウィルスの影響によりテレワーク化の必要性が加速したこともあり、急速な推進が求められています。

DXが注目される理由はそれ以外にも複数要因があるため、導入検討している企業はDXがどのような問題を解決することができるのか、把握しておきましょう。

BCP対策の必要性

災害や緊急事態下でも企業活動を続けられるようにするBCP対策は、コロナウィルスの蔓延で注目されています。

DXが進んでいれば、大規模な災害が発生し従業員が出勤できない状態が続いても、企業活動を止めずに運営することができます。

BCP対策として世界の市場はオンライン化、自動化の動きが激しくなっています。

DXの導入が進んでいない企業は取り残されてしまう危険性があるため、多くの企業が取り組みを始めているのです。

「2025年の崖」問題

2018年に経済産業省が出したレポートによると、DXを導入できな買った場合、2025年以降は最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性が見込まれています。

参考:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

市場の変化に対応できずビジネスモデルを変革できなかった企業は、デジタル競争の敗者となり競争力を失ってしまうというのです。

進化するAI、5Gの整備など周囲の変化に乗り遅れないよう、できるだけ早くデータの電子化や社内のIT人材の確保に努めなければなりません。

国からの支援が得られる

国は何としても2025年までにはDXを実現させなければならないため、いくつもの補助金制度を設けています。

DXを進めるには、既存システムの状況によって異なりますが、数百万円以上の投資が必要となる場合もあり資金力のない企業は実現できません。

IT化を検討しているが初期費用の大きさで導入を見送っている企業は、補助金制度を利用しIT導入の初期投資費用に充てたり、専門知識を持つ人材育成や新規採用に活用しましょう。

【DXに活用できる補助金制度】

  • IT導入補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  • キャリアアップ助成金

DXのメリット

これほどまでにDXが推進されている理由はどこにあるのでしょうか? DX導入のメリットを正しく理解し、企業の問題解決に役立てましょう。

業務効率化

DXの大きなメリットは、業務に関わる時間や手間が短縮されることです。

手作業で行っていたデータの集計や売り上げレポートの作成をデジタル化することで、クリエイティブな仕事や対人が必要な業務に人員を配置することができるため、生産性の向上につながります。

また、簡単な作業であればITを導入することで自動化することも可能になり、業務が効率化されコスト削減も期待できます。

例えば、電話対応をAIを活用した「ボイスボット」に置き換えることで、有人対応が削減しデータの抽出や分析は自動化され、大幅な工数が削減されます。

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働き方改革の促進

既存のシステムをIT化したり、DXを踏まえたビジネスモデルの構築により、働き方そのものが変化します。

データをクラウドで保存、共有することで、オフィスに出社しなくても仕事ができるようになり、テレワーク化の促進やオンライン商談を主流とする企業も増えるでしょう。

オンラインで決済や手続きが可能になる企業が増える事で、物流時間の短縮や店頭対応のさらなる減少が考えられます。

新規サービスの開発

IT技術を取り入れることは既存のシステムが変化するだけでなく、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルが生まれます。

市場全体でIT化が広まり新規サービスが開発され、相乗効果で新しいビジネスモデルが生まれていく流れがDXです。

DXの活用を前提にビジネスを考えることでこれまでに無かった技術やサービスが生まれ、企業の優位性と市場の活性化が期待できます。

DXを進める際の注意点

DX推進を成功させるには、次の3つのポイントを押さえて計画的に実行しましょう。

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経営層によるビジョンの共有

新しい試みを始めるには、目的やビジョンが企業全体で共有できていることが重要になります。やりたいことや、やるべきことが各自バラバラになってしまうと方向性が定まらず結果が伴いません。

また、現場や管理層が理解できていても会社の上層部がDXを理解していなければ、大規模の設備投資に協力が得られない場合があります。

企業の実権を握る経営層が正確にビジョンを伝えることはDX推進の鍵となるので、分かりやすく正確に共有できるようミーティングを重ね意識のすり合わせをすることが必要です。

DX人材の確保・育成

DXは新しいビジネスモデルなので、経験者や精通者が不足しています。

IT知識に加え、マーケティング、組織運営、デザインなど複数の知識と経験が必要なため、適任な人材の確保は容易ではありません。

IT知識はあってもチームを動かすディレクション能力や、個々のシステムを一つにまとめるデザイン力などDXに求められるスキルは多様です。

これらに精通する人物を外新規採用することもできますが、補助金を活用し社内の人材を育成することも視野に入れて、IT化を進めながら適任者を確保していきましょう。

IT化を目的にしない

先述した通りIT化はDXを達成するための手段であり、DX=IT化ではありません。DXを目的にせずに最新のシステムを導入しても「想定した効果が得られない」「全員が使いこなせない」と、中途半端な結果に終わってしまう可能性があります。

システムを導入しただけで終わらずに効果の測定や他システムとの連携、システムの使用率などを総合的に統括していく部署の設立を検討し有効的に運営できているかを定期的に確認することが重要です。

まとめ

DXにIT化は必要不可欠な要件で、データの電子化やオンラインで業務の推進は、企業が存続するためにはできるだけ早く取り組まなければなりません。

今後テレワーク人口の増加が予測される中、IT化は必須になり環境が整っていない企業は市場の流れについていけなくなります。

有人対応に頼り切っているオフィスの電話応対をIT化するなど、まずは企業内の問題を解決できるところからIT化をすすめ、DX推進を実現させましょう。

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