2021/08/27

コールセンターにFAQを導入する6つのメリット|作成方法も解説

コールセンターにFAQを導入する6つのメリット|作成方法も解説

コールセンターの効率や品質を上げるためには、「顧客の問い合わせに素早く迅速に回答する」ことが必要で、そのためには「見やすく探しやすい」FAQの存在が重要です。

FAQはエクセル形式で作成されていることもありますが、最近ではボイスボットのような対話形式が主流で、社内マニュアルや顧客の自己解決ツールとしても利用されています。 FAQシステムは、コールセンター業務の効率を上げ顧客満足を高める効果があり、コスト削減にもつながるツールです。

この記事では、FAQシステムの機能やコールセンターへ導入するメリットをご紹介します。

質疑応答の仕組みや工数に課題を感じている方は、解決策の一つとして導入を検討されてはいかがでしょうか。

FAQシステムとは

FAQシステムとは、問い合わせの多い質問とそれに対する回答をまとめたツールのことです。 コールセンターでは応対支援ツールとして導入され、オペレーターが顧客の質問に回答する際や、研修マニュアルとしても使われています。 その他、WEB上で公開されているFAQもあり、企業のHPに「よくある質問」としてまとめられています。

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FAQシステム導入の主な機能

FAQシステムには質問や回答文を一覧化するだけでなく、コールセンターの課題を解決する機能が複数備わっています。 どのような機能があるのか、順に見ていきましょう。

コンテンツ作成機能

FAQシステムには、オペレーターの応対履歴から自動でニーズの多い問い合わせを抽出し、質問と回答を作成する機能があります。 誰にでも見やすく多くの人が知りたいことが網羅されているFAQを作成するには、膨大な量の問い合わせを取りまとめて分析し、ニーズの多い質問を抽出することが必要です。

しかし、この作業を人力で行うには作業量が多く手が回っていないコールセンターがほとんどです。 FAQシステムでは、設問の選定から回答作成を自動で行い、専門知識が無くても容易にコンテンツを作成することができます。

AIを搭載したFAQシステムであれば、あいまいな質問に対しても検索意図を読み取る精度が高いため、顧客が求めている回答を即座に返すことが可能です。

コンテンツ更新機能

FAQは常に最新のものでなければならず、メンテナンスも重要になってきます。 コンテンツ更新機能があれば、FAQの利用状況を分析し質問に合った回答を返せているか、選定したキーワードにニーズがあるのか、内容は最新であるかを定期的にチェックしているので、情報が古く誤情報やニーズから外れているということがありません。

FAQの機能や使いやすさをユーザーに評価してもらう機能もあり、ユーザーファーストのツールになるように更新をかけていきます。

検索機能

知りたいことがすぐに見つかるツールにするには、検索機能が充実していなければなりません。 FAQシステムでは検索ワードの多様化に対応するため、候補が表示されるサジェスト機能や「スマホ」「スマートフォン」などの表記ゆれを補い、キーワードの部分一致でも回答を返すことができます。

また、「検索ワードランキング」を設けたり、イベント時期に多く検索されるワードを目につきやすい場所に配置し、顧客が求めている情報を見つけやすくする機能も便利です。

コールセンターにおけるFAQの重要性

コールセンターに求められることは、「丁寧さ」「親しみやすさ」「信頼感」などがありますが、第一の役割は「正しい回答を迅速に回答すること」です。 寄せられる問い合わせは一日に数百〜数千件あり、1人でも多くの顧客に対応するためには、回答速度を上げなければなりません。

マニュアルやナレッジが検索しやすく、イレギュラーな対応方法まで網羅しているFAQがあれば、経験の少ない新人オペレーターでも正しい回答を迅速に案内することができるので、顧客満足度を上げるための重要な役割を担っています。

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コールセンターにFAQシステムを導入するメリット

FAQシステムをコールセンターに導入すれば、数多くのメリットを得られます。 具体的な4つの例をご紹介するので、導入を検討しているご担当者さまは是非ご覧ください。

オペレーター業務の効率化

FAQシステムを導入したマニュアルやツールがあれば、一部のキーワードを検索ツールに入れるだけで回答を得られるようになり、1件の問い合わせにかかる時間が短縮されます。

また、顧客自身がWEB上で検索できるFAQ「よくある質問」の精度が高ければ、コールセンターへの問い合わせ件数を減らすことができるので、オペレーターの負担が減りオペレーションの効率が上がります。

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コスト削減

1件あたりにかかる時間が短縮されれば、必要なオペレーターの数は少なくてすむため人件費の削減につながります。 また、WEB上で顧客自身で解決できる内容が増えると、かかってくる電話の本数も減るので、センター規模を縮小することも可能です。

顧客満足度向上

コールセンターの不満足理由で最も多いのが「つながらない」「待たされる」といった時間に関することです。

FAQシステムがあれば、コールセンターに問い合わせをしなくても都合の良い時間に問題解決できるので、顧客のストレスが軽減されます。 また、電話で問い合わせをした場合でも、オペレーターが短い時間で回答を出せることは満足度の向上につながるでしょう。

専門的な知識は必要ない

社内独自でFAQを作ろうとすれば、HTMLやその他WEBの知識が必要です。 また、問い合わせの多い項目や検索されていない項目を抽出したり、最新の情報に更新されているかの確認もしなければなりません。

FAQシステムは、応対履歴や音声から自動的にFAQを作成し、キーワード選定や問合せの多い項目をカテゴリー化する機能があるので、専門知識が無くても簡単に使用することができます。

業務の負荷軽減に伴うオペレーターの定着

コールセンターはオペレーターの離職率が高く、定着が難しいといわれています。 「問い合わせ内容が多岐に渡り、覚えることが多すぎる」「研修期間が短く、十分な教育がないまま電話に出なくてはならない」などが主な理由です。

FAQが充実していれば、定型的な回答であれば新人オペレーターでも対応できますし、研修マニュアルとしても役立ちます。 覚えるよりも「検索する」ことができれば良いので、負担が減り定着率向上が期待できるでしょう。

データに基づいて、商品やサービスの改善ができる

オペレーターの残す履歴は、内容を要約しているため顧客の要望や不満が正しいニュアンスで記録されていない場合があり、分析データとしては不十分です。

FAQシステムには応対内容をテキスト化して蓄積する機能があるので、指定したキーワードの出現回数や前後に紐づく内容から、顧客のニーズを探り商品開発やサービス改善に役立てることができます。

コールセンターにおけるFAQの作り方

コールセンターで使用するFAQは、過去の対応履歴から以下の構成に沿って作成すると使いやすく回答精度の高いコンテンツに仕上がります。 顧客が知りたい「キーワード」を抽出し、質問文や回答文に取り入れるようにすれば、検索に引っ掛かりやすくなり、「探しやすく見つけやすい」FAQになります。

  • 質問文
  • 質問は問合せ数が多いものから優先的に抽出します。「顧客目線」の内容になっているかを意識し、蓄積された対応履歴の中から出現の多いキーワードを本文に取り入れましょう。

  • 回答文
  • 結論を先に載せ、簡潔で分かりやすい文面を意識しましょう。専門用語は避け、簡単な表現を使用します。文章だけでなく、表や図を用いるとより理解が深まります。

  • 参照ページやURL
  • 回答文の内容だけでは不十分にならないよう、関連情報や類似性のあるFAQも紹介します。専門用語や回答文では長文になってしまうような場合は「用語説明」のページに誘導するリンクを貼れば、さらに理解が深まります。

 

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FAQ導入におすすめのサービス

コールセンターで使われているFAQシステムは、これまで「キーワードを検索」するタイプが主流でしたが、最近はAIを活用した「対話型」のFAQが注目されています。

ボイスボット

ボイスボットはテキストではなく「声」を認識し、合成された「音声」で回答を返すシステムです。 IVRのように用意された設問から知りたい内容を探すのではなく、オペレーターに話しかけるように質問すれば良いので、短い時間で回答を得ることができます。 質問内容を文字で打ち込む手間もかかりません。

また、用意されている設問に知りたい内容が見つからなかった場合、案内の途中で離脱されてしまうリスクもありますが、ボイスボットなら質問された内容を基に回答を返すので、離脱のリスクは低くなります。

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AIチャットボット

チャットボットは、短文のやり取りをしながら問題を解決していくシステムです。 知りたい内容の一部や単語を入力すれば自動で回答を返すので、人と会話しているように自然なやり取りで使用できます。

AIが搭載されたチャットボットなら質問意図を汲みとる能力も高いため、定型化されていない文面でも、過去のやり取りから予測して回答します。 機械学習によりデータが蓄積されるごとに回答精度が上がっていき、使用頻度が高くなるほど適正な回答を返せるシステムです。

まとめ

FAQシステムを導入すれば、コールセンターが抱える課題の多くを解決し、オペレーターの定着と顧客満足度の向上が期待できます。 過去の応対履歴や音声から自動で質問文と回答文を作成し、最新の状態に更新する機能もあるので、専門知識が無くても安心です。

導入の際は各社サイトを比較検討し、必要な機能が備わっていて管理のしやすいツールを選び、業務の効率化を目指しましょう。

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