2021/10/30

あふれ呼の対策6選|減らすために知りたい原因と改善すべき問題点まで解説

あふれ呼の対策6選|減らすために知りたい原因と改善すべき問題点まで解説

繁忙期など人手不足によってあふれ呼に悩まされている企業も多いのではないでしょうか。

  • あふれ呼の対策が知りたい
  • コールセンターの顧客満足度を向上させたい

このような思いをお持ちの人もいるでしょう。

当記事では、あふれ呼の説明、あふれ呼が発生する原因、問題点、対策の必要性、対策について紹介します。あふれ呼の影響や対策について知りたい方はぜひご一読ください。

あふれ呼とは

あふれ呼とは、電話の回線数よりかかってくる電話数が多いことで対応オペレーターとつながらない状態のことを指します。

電話対応ができず「あふれてしまっている状態」から、このように呼ばれています。

よくある事例では、顧客やユーザーが企業のコールセンターに電話をした際「ただいま電話が大変混みあっております。お待ちいただくかしばらく経ってからお電話ください」といった音声ガイダンスが流れることがありますが、これもあふれ呼の状態といえます。

放棄呼との違い

放棄呼とはオペレーターと電話を繋げる前に顧客やユーザーが切ってしまった、あるいはシステム側で切ったコールを指します。

放棄呼は顧客やユーザーがオペレーターに繋がる前に自ら電話を切ってしまうことなので、電話の保留時間や音声ガイダンスの長さに不満を感じている状態ともいえます。

また、放棄呼が多ければ顧客満足度も低下してしまいます。 放棄呼は回線数やシステムの原因も考えられますが、オペレーターの電話1件の応対にかける時間が長すぎる場合にも起きてしまいます。

待ち呼(まちこ)との違い

待ち呼とは、あふれ呼と同様に、コールセンターが顧客に対応できず待たせている状態のことを指します。また、待機呼と呼ばれることもあります。

コールセンターでは通常待機している顧客数や待機時間を知らせる表示があります。それを見て「現在待ち呼◯人です」というように、オペレーターに待っている顧客の人数や待機時間を伝える際に使います。

待ち呼の発生には原因があり、待ち呼が多いと顧客満足度や企業の信頼に影響が出てしまいます。そのため、待ち呼が多いと感じたら、原因を把握し対策を取り減少するように努めましょう。

あふれ呼が発生する原因6選

あふれ呼の多さは、顧客満足度と企業の信頼への影響に繋がります。あふれ呼が発生する原因を把握することで、あふれ呼を減らす体制を作りやすくなるでしょう。ここでは、あふれ呼が発生する原因について6つ紹介します。

一時的に問い合わせ数が増加する

コールセンターでは、あふれ呼の発生しやすいタイミングがあります。

例えば、休日明けの月曜日やお昼の時間帯などです。週末は家庭の用事を足す、あるいは家族で出かけるといった人たちが多いため、休み明けに電話が集中します。

また一日の中でお昼は多くの人が休憩時間で自由となるため、このタイミングでも問い合わせ数は増えます。

その他、期間限定キャンペーンの開催や新商品の先行販売、予約販売といった販促強化の際も一時的に問い合わせ数が増加することであふれ呼も増える傾向にあるでしょう。

1件あたりの対応時間が長い

顧客やユーザーからの問い合わせ内容が多岐に渡り、解決までに時間がかかってしまう場合もあふれ呼が発生します。

例えば平均通話時間が10分とし、オペレーターが同時に電話を受けたとすれば、10分後まで新たな電話を受けられなくなってしまいますから、あふれ呼につながります。

また1件あたりの対応時間が長いと、オペレーター1人あたりの1日に処理できる問い合わせ数も減るため顧客満足度の低下にも繋がるでしょう。

電話以外の問い合わせ手段が少ない

顧客やユーザーが問題や疑問を解決したいときにその問い合わせ手段が電話しかない場合は、電話が繋がるまで待つしかありません。

例えば店舗においてお客様がレジで長蛇の列を作っていたとしても、レジ応対数が増えない限りレジ処理のスピードは一定でしか進みません。そのため列の最後尾に新たなお客様が続々と並びだしてしまい、さらに待ち時間も増えてしまいます。

つまりこの状態と同じなのがあふれ呼で、電話が繋がるまで待っている人たちで入電量も増えていくのです。

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コールセンターのリソース不足

コールセンターのリソース(ヒト、モノ、カネ、情報)が不足していた場合、あふれ呼が発生します。

例えば、FAQなど顧客が自ら問題点を解決できるモノがなければ、顧客は問い合わせをすることになり、問い合わせ件数の増加に繋がります。

またオペレーター数が足りない場合、問い合わせ数の多いタイミングに合わせて適切な数のオペレーターを配置しなければあふれ呼も増えてしまうはずです。

結果、オペレーターばかりでなくシステム導入など、コールセンター業務の改善が必要なすべてのリソースに目を向ける必要性が高まります。

FAQがない・使いにくい

顧客が問題解決の際に最初に探すページは「よくある質問」です。FAQがもともとない、使いにくい場合は、問い合わせるしかありません。

顧客はサービスに疑問をもち、解決できない際にコールセンターを利用します。FAQがあるのに辿り着くことは難しく、また顧客の疑問が想定されていなかった場合、問い合わせの減少は容易に考えられるはずです。

顧客が問い合わせを行う前に、その疑問を解消できるようなFAQを作ることで、あふれ呼を減らすことに繋がります。

IVRの運用に問題がある

あふれ呼を減らすために導入したIVR(自動音声応答システム)が原因で、逆に増えてしまっているケースもあります。

IVRの音声が長かったり、誘導がわかりづらかったりすると、顧客への対応が遅れてしまい、あふれ呼を発生させる原因に繋がります。また、わかりづらいIVRは顧客の不満を生む場合もあります。

やたらにIVRを導入するのではなく、顧客にとって使いやすいものであるかという視点を大切にしましょう。

あふれ呼の問題点

あふれ呼は顧客やユーザーに電話が繋がらないといったストレスを与えてしまいますが、企業側にとってはどのような負の要素を与えてしまうのでしょうか。

ここではあふれ呼の問題点について具体的に解説します。

企業やサービスのイメージ低下

疑問や問題だけを解決したかった顧客やユーザーも、電話があまりにもつながらないことで強いストレスを感じ、企業イメージの低下やさらにクレームにまで発展してしまう恐れもあります。

このような状態では顧客満足度が低下してしまい、企業や対象となる商品・サービスに対してもマイナスイメージを持ってしまうでしょう。

あふれ呼が増えると結果的に企業ブランドや商品・サービスの価値を落とすことにも繋がり、企業信頼度も低下させてしまうことが想定されます。

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顧客の機会損失

コールセンターへの問い合わせの中には商品・サービスの購入や入会にダイレクトに結びつくものもあります。

顧客やユーザーは商品・サービスについて疑問や不安があって電話をかけてくるため、解決できれば購入や契約を決めるという人も少なからず存在します。

そのため、あふれ呼の発生は企業にとって売上や利益に直結するかもしれない貴重なチャンスを損失してしまうことになるのです。

オペレーターの負担増・離職率向上

長時間電話を待たされた顧客やユーザーの中には、電話が繋がった途端、それまでのストレスが爆発しオペレーターに激しい口調で怒鳴る人も少なくはありません

さらにあふれ呼によって顧客から叱責されたオペレーターは強いストレスを感じてしまい、モチベーションが低下し離職へと繋がってしまう危険もあります。

このようにオペレーターの負担増によって離職率が向上すると求人広告費や研修費といった費用ばかりでなく、育成に費やしてきた時間や労力も無駄になってしまいます。

待ち呼・放棄呼の増加

あふれ呼が増えると同時に、待ち呼も増加し、放棄呼へと繋がってしまいます

放棄呼の数は、企業の電話の繋がりやすさの指標にもなります。そのため、放棄呼が多いということは、顧客の対応が十分に行えていない状態です。

また、放棄呼は、顧客自ら電話を切るということなので、コールセンターへの不満へと繋がってしまいます。顧客の満足度を低下させないためにも、あふれ呼を減少させることは重要になります。

あふれ呼対策の必要性

これまで解説してきたようにあふれ呼が増加してしまうと顧客やユーザーばかりでなく、企業側にとっても大きなマイナス要素をもたらしてしまいます。

ではあふれ呼対策をすることでどのようなメリットが考えられるか見ていくことにしましょう。

顧客満足度の向上

前述のように顧客やユーザーにとって電話が長時間繋がらず待たされることは、大きなストレスになってしまいます。

詳しくは後述しますが、例えば自動音声応答装置などをはじめとした各種ツールやシステムを導入し適切なチャネルに誘導することで、オペレーターが対応することなく顧客自ら迅速に疑問や問題を解決できることも多くなるため顧客満足度が向上します。

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売り上げの向上

あふれ呼対策を行うと商品・サービスについて疑問や不安を解決したい、もっと詳しく知りたいといった顧客やユーザーからの問い合わせタイミングを逃すことなく対応できます。

そのため営業機会が増えることで売り上げの向上にも繋がります。

またあふれ呼対策の各種ツールやシステムを導入し活用することで売り上げにダイレクトに結びつくタイミングや局面が把握でき、優先的にオペレーターに繋ぐこともできます。

オペレーターの負担軽減

FAQや問い合わせフォームなど電話以外のチャネルを持つことで、顧客自ら問題の解決することや電話以外での問い合わせを促せます

本当に電話対応が必要な顧客やユーザーに対してのみの応対となるので、オペレーターの負担も大きく軽減できます。

さらに受電できなかった着信に対してコールバックするといった際も専用の対策システムを導入することで、相手が希望する時間を予約することも可能となるため何度も電話を掛け直すといったロスを削減することもできます。

あふれ呼の対策方法6選

あふれ呼対策を行うことでさまざまなメリットがもたらされることをお分かりいただけたでしょうか?

あふれ呼の対策には、主に6つの手段がありますが、最もコストパフォーマンスが良い対策はボイスボットを導入することです。ボイスボットは自動で顧客の対応を行うため、コールセンターの効率化を図れます。ここでは、あふれ呼の対策方法をボイスボットを含め、6つ紹介します。

IVRを利用する

IVR(自動音声応答システム)は顧客がコールセンターに電話をかけた際「商品のお問い合わせについては1を、メンテナンスの場合は2を」と誘導し、顧客のたらい回しによるムダな時間を省くほか、オペレーターの対応スピード向上も実現できます。

さらに対話型AIや音声認識、自然言語処理などの技術を活用したボイスボットは、顧客やユーザーからの問い合わせに対し適切な回答テキストを自然な発話に聞こえるような読み方をしてくれるツールです。

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チャットボットやFAQシステムを導入する

チャットボットもAIによるチャットシステムで、あふれ呼対策には有効となります。

チャットボット導入は顧客やユーザーからの問い合わせに対し、AIがチャットとして自動回答してくれるため365日24時間対応も可能です。

またよくある問い合わせに対しFAQシステムを導入することで顧客やユーザーも基本的なことは自ら解決できるようになるため、余計なストレスを緩和できます。

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自社のオペレーターを増員する

前述のようにあふれ呼は、配置されたオペレーター数よりかかってくる電話が多い状態を指します。

そのためあふれ呼を減らし応答率を上げるためには、自社のオペレーターを増員することも選択肢の一つとなります。

しかし、オペレーターの人件費や採用にかかるコストを考えると、闇雲に増員することは得策ではありません。

あふれ呼の多い時間帯や曜日を分析し電話数が多いときは人員を増やす、あるいは今いるオペレーターのシフト調整をまずは行うようにしましょう。

ワークフォースマネジメントシステムを導入する

ワークフォースマネジメントシステムとは、コールセンターの品質を下げることなく、オペレーターを適正配置するマネジメントシステムのことを指します。

このシステムを導入すると過去の受電履歴などを分析して

  • 今後の受電数予測
  • 必要なオペレーター数の割り出し
  • オペレーターのスキル管理
  • オペレーターの配置管理

などを行えます。 つまり、あふれ呼を未然に防ぎながらオペレーターの配置ができます。

他社にアウトソーシングする

販促キャンペーンなど顧客やユーザーからの問い合わせが一時的に増えそうな際に、他社にアウトソーシングすることであふれ呼を防げます

例えばあふれ呼発生時にアウトソーシング先へ転送することで、顧客の待機時間をなくせます。

しかしアウトソーシングはあくまで一時的なあふれ呼解決策であるため、自社でどのようなツールやシステム導入が望ましいのか十分に検討する必要があります。

ボイスボットを導入する

ボイスボットとは、音声認識や自然言語処理、音声合成技術などを使用し、発話内容を解析し、自動で返答できるシステムのことです。

ボイスボットを導入することで、予約や注文受け付けなど企業にかかってくるさまざまな電話に自動で対応できます。

ボイスボットが自動で対応をすることでカスタマーサポートの効率化やコールセンターの人員不足解消などあふれ呼を解決することが可能です。

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まとめ

あふれ呼は一時的に問い合わせが増加する際や1件あたりの対応時間が長い際に発生しやすくなり、企業や商品・サービスのイメージ低下、顧客の機会損失などの問題を招いてしまいます

ボイスチャットを導入するとAIが自動で顧客の対応を行うため、あふれ呼の数を減らせて現場の効率化を図れます。

AI Messengerでは、日々AI技術を研究しているチームが一貫したサポートを行っているため、200社以上が導入しています。

ボイスボットを導入したい、興味がある方は、まずはお気軽にお問合せください。

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