2021/07/07

コールセンター開設・立ち上げに必要な4つのステップと注意点について

コールセンター開設・立ち上げに必要な4つのステップと注意点について

コールセンターを立ち上げるためには、運営方針や設備の設計などいくつかの手順を踏む必要があります。また、想定するセンター規模により必要な設備やオペレーターの人数も異なり、外注するのか自社で構築するのかが変わり、それによって費用も異なってくるため、慎重に決定しなければなりません。

今回の記事では、コールセンターを立ち上げるために必要な手順と、失敗しないためのポイントを解説しています。また、外注するメリットとおすすめのサービスもご紹介しているので是非参考になさってください。

コールセンター立ち上げの4つのステップ

コールセンターを立ち上げるためには、次に紹介する4つのステップを踏んで、一つ一つクリアにしながら構築していきましょう。

1.現状課題の整理と分析

目標設定をするには、現状を分析し問題点を把握することが大切です。まずは一日に対応する件数や、対応すべき件数、不足している人数、必要なシステムなどを洗い出します。

「現在の対応人数では、代表電話を取り切れず顧客を待たせてしまう」「電話対応に追われ本業に集中できない」など、現状抱えている問題点を、現場担当者を含め幅広い部署から聞き取ることによって、課題が見えてきます。

問題点が出てきたら、コスト、人、顧客などカテゴリーごとに分け、どこの部分が弱いのか、どの部分が足りないのかを可視化させ、具体的な対策を立てましょう。代表電話の対応だけ良いのか、カスターマーサポートとしての機能も必要ではないか、など、必要なコールセンターの規模や姿が見えてきます。

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2.目的・目標の設定

「なぜコールセンターが必要なのか」「設立によってどのような課題が解決できるのか」を設立前に目標設定しておくことは、企業にとって重要な項目です。 このような項目はKGI(経営目標達成指標)といわれ、現時点の問題点や目指している姿を明確にすることにより、社員の意識統一や行動指針が決定されます。

さらに「顧客満足度95%」「利益率20%増」など、具体的な数値を設定し、中間目標値としてKPIに落とし込みます。 KPIはKGIを達成するための中間目標で、AHTや応答率、アポイント系であれば獲得率などを設定し、月次報告を通じて方向性を確認、修正しながらKGI達成を目指します。

KGIもKPIも、曖昧にならないよう具体的な数値を用いて設定し、無理な目標にならないように設定しましょう。

3.プロセスの設計

次に設計するのは、コールセンター運営時の業務プロセス(フロー)です。電話を受けてからどのように対応するか、対応した後の記録や報告の方法、イレギュラーが起きた時の手順を想定し、フローを設定します。

オペレーターのプロセスの他にも、受電結果の報告や分析の方法、頻度、KPI管理は誰がどのように行うのか、オペレーターの管理方法はどうするのか、を決定しておけばマネージメントがしやすくなり、問題が発生しても即時軌道修正を行うことができます。

その他、新人育成時のプロセスや、緊急事態発生時の運用も決めておくと良いでしょう。設置するコールセンターの目的や役割に合わせ、効率よく運営できるようセンター全体を幅広く見ることで、適正なプロセスが設計できます。

4.設備/運用体制の構築

コールセンターが「どのような問題を解決するのか」によって、必要な人員やセンター規模、設備は異なります。一般的に必要な設備の構築項目は、電話(PBX)、ネットワーク構築、ファシリティです。

電話とネットワークの構築は、顧客管理システム(CTI)やIVR、通話録音機能の設定有無などをシステム担当者も交えて決定すると、現場に合った環境ができます。センターのレイアウトや机、椅子などの備品、什器の手配も必要です。

また、業務プロセスに沿った研修体制やマニュアル作成、スケジュールに合わせた採用計画も立てておきましょう。

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コールセンター立ち上げにかかる費用

コールセンターを立ち上げるには、設備投資の他にもさまざまな費用が発生します。

初期費用

コールセンターに必要な初期費用は、規模によってかなりの違いがあり、自社でコールセンターを立ち上げる場合で20万~300万円程度です。これは既存のシステムや回線のみの概算になるので、独自のシステムを構築する場合は開発費用やライセンス料などが別途かかります。

その他、セキュリティ面を強固にするためのソフト導入や情報管理にも設備投資が必要です。オフィスを別途用意する場合は、契約料や賃料なども見積もっておきましょう。 委託する場合は、大規模な設備投資は必要ありませんが、運用体制の構築費用などで20万~50万円が相場です。

初期費用とは別に、月額固定費用として支払うのか、従量課金制(対応したコール数に応じた料金)が発生するので、構築するセンター規模に応じた契約を結びましょう。

人件費・採用費

コールセンターは発生する費用の中でも人件費が占める割合が多く、大規模なセンターになると毎月採用活動が必要になります。 コールセンターの人件費は、人数で契約する場合と席数で契約する場合があり、1人(1席)あたり2000円~5000円が相場です。

時給の相場は1000円~3000円で、業務内容や専門知識の有無によって変わります。 採用費は、求人誌やWEBサイトに掲載する場合5万~20万のコストがかかり、面接の人件費や説明会の費用などを考えると、アルバイト1人当たりの採用単価は5万円~が相場です。

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コールセンター立ち上げ時に注意するべき3つのポイント

コールセンターを立ち上げるには、費用面のこと以外にもいくつかの注意すべき点があります。今回はポイントを3つに絞り、一つずつご紹介していきますので、立ち上げ前に問題点を把握しておきましょう。

人材確保が難しい

SNSやLINEなどのコミュニケーションツールが普及し、電話応対が苦手な人は年々増えているといわれています。 また、電話応対は相手の顔が見えず声のみのコミュニケーションのため、対面よりも高度な応対スキルが求められ、適正な人材を確保するのが難しいのです。

また、覚える内容の多さや、電話の相手とのコミュニケーションが取りずらいことで、短期間で退職する人も多く、定着率が低い点が問題です。 コール管理をするSV(スーパーバイザー)やセンターマネージャーも、コールセンターを経験した人物が適任であるため、該当者がすぐに見つからない場合もあります。

内製化はリスクが大きい

コールセンターは初期に必要な設備が大規模なため、自社で構築する=内製化は費用の負担が多きく、初期投資を回収するのに時間がかかります。 初期投資の他にも、毎月のランニングコストや人件費もかかってくるため、採算が取れずにクローズしてしまう企業も少なくありません。

センター規模の大小関わらずかかる費用はそれなりに大きいので、自社で構築を考えている場合は慎重に考えて決定しましょう。

応対品質を維持するのが難しい

コールセンターで重視される項目に「応答率」がありますが、同様に応対品質も確保しなければなりません。応対品質は、一部のオペレーターだけでなくセンター全体で統一されていることが重要です。

業務内容によっては同じ顧客が何度も電話をかけることもあり、その度に対応するオペレーターの品質が異なっていれば、クレームにも発展します。

高品質なオペレーターを育成するには、教育するプログラムと、定期的に応対品質をチェックする機能や、品質向上のための研修を行う必要があり、コールセンターのノウハウを持っていなければ、応対品質を維持するのは困難です。

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コールセンターを外注するという選択肢も

。 コールセンターを構築するには、自社で立ち上げるだけでなく外注する方もあり、費用面やオペレーター教育において多数のメリットがあります。

コールセンター外注と内製の違い

外注するのと自社で立ち上げることの大きな違いは、設備投資の有無です。自社で立ち上げる場合は、必要な設備を全て購入しオペレーターを準備する必要がありますが、外注すれば既に用意されたシステムとオペレーターを活用する事ができ、費用と手間がかかりません。

コールセンター業務を外注するメリット

コールセンターを外注すれば、PBXやネットワーク構築、パソコン、机や椅子などセンターに必要な設備を用意する必要がなく、コールボリュームや時間に応じた費用を支払うだけで設備投資がほとんどかかりません。

また、コールセンターのノウハウを持った専門家が運営するため、人員の確保から教育、品質のチェックなど、運営を全て任せることができ本業に集中することができます。

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コールセンターが不要に?「ボイスボット」とは

「ボイスボット」は、電話応対業務をAI搭載のメッセンジャーが対応し、予約システムや情報紹介、修理受付などをコールセンターとほぼ同様に対応することができるボイスボットサービスです。

契約内容によっては回線数の制限をなくすことができ、全ての入電に対応することができ、かかってきた電話を取り逃すことはありません。 定型的な問い合わせであれば、自動応答で完結することもでき、有人オペレーターへの転送も簡単操作で可能です。

「ボイスボット」はチャットボットと異なり、テキストではなく音声でのやり取りなので、コールセンターのオペレーターが対応するように、自然な会話でお客対応を行います。 24時間365日稼働なので、営業時間外の対応も受け付けることができ、ビジネスチャンスの広がりが期待できます。

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まとめ

コールセンター構築の手順と、失敗しないためのポイントについてご紹介いたしました。まずは現状を分析し、センターの目的や目標を決めることから始め、必要な規模に応じて外注か自社構築するのかを決定しましょう。

外注すると費用面や手間がかからないというメリットがあり、業務内容によってはボイスボットを活用することで、電話業務を自動化できます。 本業に集中しながら顧客満足の高い電話応対を実現するために、最適なサービスを見つけ企業に取り入れましょう。

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